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ボスの期待をそんたくしてはいけない

【第5回】上層部ほど意識共有が難しくなる理由と解決法

  • 鈴木義幸

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2011年3月16日(水)

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 これまでのコラムでは、問いによっていかに部下に考えさせるか、ということをお伝えしてきました。

 今回は、少し違った角度から「上層部にいる人」や「上の立場の人」に向けた質問の仕方について見ていきたいと思います。

 エグゼクティブコーチという立場で、企業の上級管理職以上の方々と接している中で、思うことがあります。

 ポジションが上になればなるほど、上位者が下位者に対して、明確に期待や要望を伝えなくなる、ということです。

高いポジションになると「こうしてほしい」と言わなくなる

 課長が課のメンバーに対して期待を伝えるようには、事業部長は部長に、また、専務は取締役に「こうしてほしい」という想いを伝えません。

 これは、特に執行役員以上になると、上役と部下のラインが明確でなくなってくることや、また昨日まで部下だった取締役が、いきなり社長に抜擢されるということも理由にあるのでしょう。

 理由は何にせよ、ポジションが上の役員が下の役員に、「こういうリーダーになってほしい」と明言することは、実は稀なのです。

 社長でさえも、予想外に抜擢されたりすると(最近はそういうことが多い)、「役員にそれぞれの領域は任せていますから」と、あまりはっきり自分が抱く要望を役員に伝えません。オーナー経営者の場合は別として、たいていそうです。

 私がエグゼクティブコーチングをしている、ある企業のトップがいます。その方は“6人抜き”でトップになりました。お話を伺っていると、部長のことや現場のことには言及します。でも、話題の中に役員がまったく登場しません。

 不思議に思ってなぜなのか尋ねてみました。すると、「役員は責任範囲を全うしてくれればそれでいいし、今さら、役員にまでなった人に何か言うのもね」と、答えます。

 そこで、「役員の力を高く評価されているのですね」と聞くと、「いや、物足りなさはある」と。ならば、「物足りないままでいいのか」と問えば、「それはダメです」とのこと。

「では、なぜ思っていることを役員におっしゃらないのか」と尋ねたら、「遠慮がありますね」ということでした。

 このように、役職が上がれば上がるほど、傾向として、上司は部下にリクエストを伝えなくなる。

 しかし、どんなに役職が上がっても、当然、部下は上司から評価を受けます。そのときになって、はじめて、上司は「ちょっとあなたにはリーダーシップが足りないようです」というようなコメントを口にする。

 評価を受けた部下は愕然とするわけです。「いったい何が悪かったんだろうか」と。

 さきほどの社長の「遠慮がありますね」という言葉に代表されるように、役職が上がってくると、部下もそれなりの武勇伝をもった“できる人”となるわけです。しかも、自分と違った領域で功を成してきた“できる人”である可能性が高い。

 そうすると、課長が部下にリクエストするようにはリクエストができないわけです。そこにはどうしても遠慮が生まれます。

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