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第21話「最後に一言、伝えたい。利を見て義を思え。世のために生きよ」

2011年3月9日(水)

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前回までのあらすじ

 MTCの東京本社には沢口萌が入社し、シンガポールのMTCラボに赴任した。原価計算のシステムを作るよう達也に指示されていた。

 MTCラボの金子順平は萌の赴任を待っていた。金子がいる工場ではK01の生産に追われていた。電気自動車の電池の性能を飛躍的に上げるこの製品には、各国のメーカーから注文が殺到していた。

 東京のMTC本社では、団達也と細谷真理が今後の事業展開について会議を重ねていた。その時、伊豆の病院から達也に電話がかかってきた。達也の恩師、宇佐見が重篤だという知らせだった。

 宇佐見は、達也の大学時代の恩師であり、カリスマ的な経営コンサルタントだった。達也が最初に就職したコンサルティング・ファームで手痛い失敗をした後、アジアで学び直すようアドバイスしたのは、宇佐見だった。

 仕事で行き詰まった時や、新しいことを始める時には、達也はいつも、伊豆の別荘で隠退生活を送っていた宇佐見のもとを訪れ、相談していた。

 その宇佐見が「達也、人のために働くのだ。それがお前の運命なのだ」と最後に一言残して亡くなった。

千駄木

 達也が久しぶりに千駄木の自宅に戻ったのは、深夜だった。柔道で鍛えた達也にとっても、この日の疲れは特別だった。だが、悲しんでばかりはいられなかった。MTCラボでは、来週からK01が本格的に出荷されることになっているからだ。2日後に控えたシンガポールでの関係者とのミーティングは真理に任せ、宇佐見の告別式を優先する事にした。人生の師がこの世の中から消えてなくなるまで、一緒にいたいと思ったからだ。

 アパートの郵便受けは、満杯になっていた。考えてみれば、飯田橋の事務所の小部屋に泊まり続け、2週間以上も自宅に戻っていなかった。達也は、居間の電気をつけて郵便物を一つひとつ確かめた。

 ほとんどは近くのスーパーや不動産の広告だった。だが、その中に、黒のインクで達也の名前が書かれた和紙の封筒があった。それは、まぎれもなく宇佐見の字だった。

 達也は震える手で封を開け、中から手紙を取り出した。そこには宇佐見とは思えない弱々しい文字で、こんなことが書かれていた。

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「第21話「最後に一言、伝えたい。利を見て義を思え。世のために生きよ」」の著者

林 總

林 總(はやし・あつむ)

公認会計士

外資系会計事務所、監査法人勤務を経て開業。国内外でビジネスコンサル、管理会計システム導入コンサルのほか、大学で実践管理会計の講義を行っている。また管理会計の草の根活動として、団達也会を主宰。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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中村 克己 元ルノー副社長、前カルソニックカンセイ会長