日本へ出張して公衆トイレに入ると、気づくことが沢山ある。
今ではすっかり洋式トイレがメーンになっているが、たまに新しい和式トイレも見つけることができる。
ハイテクトイレ大国、日本
そして日本の洋式トイレだが、さすが技術大国だけあってハイテクだ。自動で蓋が開き、便座は暖かく、もちろん温水洗浄便座が付いている。ところが、洗面台で手を洗うとタオルやドライヤーが少ない。仕方なく、ポケットからハンカチを取り出すことになる。
このアンバランスが気になる。
そうだ、まだ気になったことがある。日本ではホテルのトイレでもトイレブラシがないことが多い。日本のハイテクなトイレは、汚物が水で流れやすい仕組みになっているという。それでも、いつも100%流れてピカピカというわけではない。「その場合、どうすればいいのだろう?」という疑問が湧いてくる。
また英国に行くと、洗面所など水まわりの雰囲気が、私の住んでいるイタリアのミラノとは違うと感じる。蛇口のデザインは素っ気なく、水垢が付いていることも少なくない。清潔感はロジックと馴れの問題だろうが、地域や時代によって違ってくることは確かだ。
それゆえに、この分野でビジネスを展開するには、食と同じレベルの高い「ローカリゼーション意識」が要求されるはずだと考えた。
そこを今回は突っ込んでみたい。お答えいただくのは、TOTOのアジア・オセアニア統括会社、TOTO ASIA OCEANIA PTE.LTD.副社長の谷江洋氏だ。
現在、TOTOは、米州、中国、アジア・オセアニア、欧州、そして日本という世界5極体制をとっている。米州は主に米国だが、生産拠点をメキシコに設け、さらにブラジルやアルゼンチンといった南米への進出を見据えている。中国は市場規模が大きいため世界5地域の1つとして区分されている。その中国を除くアジアと中近東、オーストラリアを含めた地域をアジア・オセアニアとくくっている。欧州はドイツを拠点に、フランス、イタリア、イギリスの主要国とロシアの主要都市をターゲットにしている。
同社は創立100周年に向けた中長期ビジョン「TOTO Vプラン2017」に取り組んでいる。マーケティング本部副本部長の野上薫氏によれば、2017年の数値目標を設定し、「国内住設事業」「海外住設事業」「新領域事業」という3つの事業にまたがるマーケティング革新など5つの全社横断的な革新活動を推進する。その1つにグローバル体制の強化がある。
さて、まずは私が長年、疑問に思っていたことから聞いていこう。
ここから先は「日経ビジネスオンライン」の会員の方(登録は無料)、「日経ビジネス購読者限定サービス」の会員の方のみ、ご利用いただけます。ご登録のうえ、「ログイン」状態にしてご利用ください。登録(無料)やログインの方法は次ページをご覧ください。



1965年東京出身。デザイナー、デザインディレクター。桑沢デザイン研究所卒業後、建築設計と工業デザインを手掛ける黒川雅之建築設計事務所に入社。プロダクトデザインを担当し10年目に退社後、1997年テツタロウデザイン開設。文具、日用雑貨から住宅設備機器などのデザイン、中小企業へのデザインディレクションも行う。社団法人日本インダストリアルデザイナー協会正会員。日本大学芸術学部デザイン学科非常勤講師。Twitterは
1958年横浜市出身。上智大学文学部仏文科卒業。日本の自動車メーカーに勤務後、イタリアでビジネスプランナーとして独立。現在、ミラノ在住。デザイン、食品、文化論などを活動領域とする。著書に『

からのご案内




