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アジア新時代の国際連携~シリコンシーベルト福岡の挑戦

  • 石原 昇

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2011年3月15日(火)

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 大陸を臨む玄界灘に面した福岡。古くは新羅や蒙古の襲来に備え防塁が築かれ、近代に入っては欧米列強に対する攘夷のため砲台が造られた。21世紀の今日、アジア新時代を迎え、撃退ではなく連携を目指し、新たな2つの研究施設が福岡で建設中だ。日本のあらゆる産業がアジア市場の取り込みを目指す中、産業のコメである半導体分野でも動きが活発である。今、最も熱い福岡の試みを紹介する。

伝説の地に現れた2つの研究施設

 福岡県の西、糸島リサーチパーク。ここは魏志倭人伝に記された伊都国があったところだ。大陸とつながりのあった地に、「三次元半導体研究センター」と「社会システム実証センター」が完成間近である。4月のオープンを前に、半導体試験装置、解析機器などの搬入・据付が大詰めを迎えている。

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 渡り廊下でつながった2つの建物の左側は「三次元半導体研究センター」。複数の半導体チップを三次元に積層するために必要な研究開発、試作・評価を支援する拠点施設である。

 半導体技術は、集積密度が18~24カ月で倍増するというムーアの法則(Moore’s law)に沿って、半世紀にわたって発展してきた。しかし2010年代で、微細化が原子レベルに到達し、この法則が通用しなくなると予想されている。

 この限界を克服し集積密度をさらに上げるため、1)微細化限界の追求(More Moore)、2)シリコンCMOS技術の代替技術(Beyond CMOS)、3)微細化に依存しない多様化(More than Moore)の3つの方向性が模索されている。三次元半導体研究センターは3つ目の「微細化に依存しない多様化」アプローチを追究する。

 三次元半導体研究センターは、半導体を三次元に積層化する最新鋭の試作・組立ラインや評価試験機器を整備し、共同開発した技術の国際標準化も目指す。2階建てで、延床面積3268平方メートル。建物に約10億円(福岡県の補助金)、研究設備などに約20億円(財団法人科学技術振興機構の地域産学官共同拠点整備事業)を投じる。

 右側の建物は「社会システム実証センター」だ。地域電子マネーなどの新しい社会システムと、それを支える先端半導体の製品化を促進するため、実証実験や評価・改良を行う拠点施設である。その特徴は、社会の制度や政治経済体制が直面している課題から考えて、その解決を求めていく“社会主導型”の研究開発である。技術を積み上げていく従来型の研究開発とは異なる。

 新しい社会システムとは、たとえば、貧困をなくすために発案されたバングラディッシュのグラミン銀行が推進するマイクロクレジットなどがある。地元の九州大学などが、紙の通帳をICカードに置き換えて電子化するプロジェクトを進めている。新センターは、このほか、複数のICカードに対応するマルチリーダーを使った大連大学の学内情報ネットワークや久留米市の地域電子マネーなどのプロジェクトを引き継ぐ。

 社会システム実証センターの建物は3階建てで、延床面積2516平方メートル。投資額は建物に約8億円、研究設備などに約5.2億円(経済産業省が3分の2、福岡県が3分の1を負担)である。

百道にある「福岡システムLSI総合開発センター」と連動

 「三次元半導体研究センター」と「社会システム実証センター」が並ぶ糸島と福岡市街との間にある百道(ももち)には、2004年11月に「福岡システムLSI総合開発センター」が完成。財団法人福岡県産業・科学技術振興財団(ふくおかIST)が管理運営している。

 福岡の一連の半導体プロジェクトの中核施設であり、システムLSIカレッジや設計・試験・検証ラボ、インキュベーション施設などを持つ。システムLSIにかかわる人材育成から研究開発、事業展開までを支援し、研究者、技術者、ベンチャー企業、ユーザー企業などの交流拠点となっている。敷地面積は約3200平方メートル、7階建て延床面積約7700平方メートル、投資額は30億円である。

 システムLSIは、多数のシステムを1つのチップに組み込んだ高機能LSIのこと。携帯電話や情報家電はもちろん、行政や健康・医療などの社会システムへの展開が期待されている。

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