• ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

「個人ボランティアは、今は現地に行かないで」

被災地に飛んだ災害支援専門NPO関係者が報告

2011年3月15日(火)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

関東・東北地域を襲った未曾有の大震災。現地では、各種の救援活動が始まっている。その1つが、災害支援を専門に請け負うNPO(特定非営利活動法人)シビックフォースと、チャリティ・プラットフォーム。チャリティ・プラットフォームの代表理事である佐藤大吾氏が、現在の被災地の状況を語る。(蛯谷 敏=日経ビジネス記者が談話を再構成した)

 町が消えたーー。震災の翌日、私が宮城県の被災地上空を視察して感じた最初の印象だ。私が代表を務めるNPOチャリティ・プラットフォームと、災害支援専門NPOであるシビックフォースが連携し、現地での支援策を探るため、3月12日、東京ヘリポートから被災地の調査に向かった。

 向かったのは、名取川周辺の地域。途中まで、山林の風景が続いた後、突如として水没した町が出現する。ビルに突き刺さった自動車、なぎ倒された電柱、ポッキリと折れた列車…。人の気配は全くなく、ほとんど町の原型をとどめていない壮絶な光景に、文字通り絶句するしかなかった。

気仙沼市周辺の様子。津波がすべてを流してしまった

阪神大震災と決定的に違う「津波」の存在

瓦礫に乗り上げた自動車。こうした光景は珍しくない。

 私は、阪神大震災も経験している。その経験から見ても、津波の存在は被災地に決定的な違いを与えていると感じる。阪神大震災も、もちろん大災害ではあったのだが、被災後は、皆が体育館などの避難所に集まり、仲間と肩を寄せ合い、励まし合って復興に向けた一歩を踏み出すことができた。

 ところが、今回はそんな場所すらない。津波が跡形もなく押し流してしまっているのである。

 私たちが協力している国内災害支援専門NPOのシビックフォースは、以前からショッピングセンターのイオンと協力し、災害時の対応にあたることに同意している。今回も、名取川周辺のイオンの駐車場を借りて、避難シェルターなどを設置する計画だった。だが、見渡す限り水没している町は、ヘリコプターを着地させる場所すらなく、仮に降りられたとしても、通信手段が絶たれている。計画の練り直しを余儀なくされた。

 その日は、一旦東京へ引き返すことになったが、途中、製油所からの火炎がこの地の現状を暗示しており、いったいどこから手をつけていいのか、茫然自失の帰途となった。

気仙沼を拠点に支援活動

 翌日、別のスタッフが気仙沼市に向けて飛んだ。被害はここも甚大だったが、幸いにもイオンを拠点として利用できることが分かった。ここを拠点に、物資を輸送することに決めた。

ショッピングセンターのイオン構内が一時的な避難場所となっている。

 各種報道で既に周知のことと思うが、現地の状況は、日に日にひどくなっている。水、食料、毛布、テントなど、あらゆる物が不足しているが、一番の問題は、燃料だ。車で移動するにしても、自家発電機を稼働させるにしても、燃料が足りていない。せっかくの物資があっても、これでは運ぶことができない。

 当NPOでは、茨城県の結城市を拠点に、ヘリコプターで物資を空輸する計画。まずは、100人程度が入れるシェルターを優先的に運搬しているが、ヘリの燃料が不足する懸念もあり、物資の運搬計画にも支障が出ている。

現場では、今も懸命な救援作業が続いている。

 未曾有の事態に直面し、今全国が東北への関心を寄せていることと思う。自分にも何かできないか、手助けをしたいという方々も多いだろう。

 ただ、くれぐれもお願いしたいのは、今はまだ、自衛隊をはじめとした国の関係機関、災害支援のプロのNPOなどに任せて欲しいということだ。災害対策には、初動期と復興期がある。初動期は、まずは人命救助が優先され、そこではあまり個人のボランティアの出番はない。

 むしろ、人出が必要になるのは復興期だ。それまではチャリティ・プラットフォームの「JustGiving」などのサービスを活用し、自身の周囲から寄付と励ましの声を集めることなどで協力してほしいと思う。

 現場に行くこと以外にも、ボランティアとしてできることはある。

コメント2件コメント/レビュー

過去の災害で食料も寝袋も持たずに行くボランティアが多いそうです。被災者と一緒並んで炊き出しを受けているようなボランティアは迷惑。ボランティアは自己満足でやるべきではない。現地に行く交通費を義援金として差し出したほうがはるかに役に立つ。(2011/03/16)

「東日本大震災」のバックナンバー

一覧

「「個人ボランティアは、今は現地に行かないで」」の著者

蛯谷敏

蛯谷敏(えびたに・さとし)

日経ビジネス記者

日経コミュニケーション編集を経て、2006年から日経ビジネス記者。2012年9月から2014年3月まで日経ビジネスDigital編集長。2014年4月よりロンドン支局長。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

過去の災害で食料も寝袋も持たずに行くボランティアが多いそうです。被災者と一緒並んで炊き出しを受けているようなボランティアは迷惑。ボランティアは自己満足でやるべきではない。現地に行く交通費を義援金として差し出したほうがはるかに役に立つ。(2011/03/16)

阪神大震災、名古屋の水害経験者です。素人は貴重な物資を現場ですり減らす害悪にしかなりません。報道機関は嬉しそうに現場のレポートするだけではなく、こういう啓蒙活動もしてほしいものです。(2011/03/15)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

日本の経営者は、経験を積んだ事業なら 失敗しないと思い込む傾向がある。

三品 和広 神戸大学教授