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第22話「ボクはそうは思わない。日本は必ず蘇るよ」

2011年3月16日(水)

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前回までのあらすじ

 MTCの東京本社には沢口萌が入社し、シンガポールのMTCラボに赴任した。原価計算のシステムを作るよう達也に指示されていた。

 MTCラボの金子順平は萌の赴任を待っていた。金子がいる工場ではK01の生産に追われていた。電気自動車の電池の性能を飛躍的に上げるこの製品には、各国のメーカーから注文が殺到していた。

 団達也の恩師、宇佐見が亡くなった。カリスマ的な経営コンサルタントだった宇佐見は、ことあるごとに達也にアドバイスを与える存在だった。

 その宇佐見の絶筆が達也のもとに届いた。そこには「利を見て義を思え。世のために生きよ」とあった。達也は涙を流しながら手を合わせた。

チャンギー空港

 久しぶりのシンガポールは真夏のような暑さだった。真理の気持ちは高ぶっていた。今は世界中が注目する企業のCFOなのだ。今日から、世界の人たちを相手にビジネスをすることになる。

「真理ちゃん、重役になるんだって」

 行きつけの寿司屋の源さんから声をかけられた時、真理の父親から聞いたに違いない、と真理は思った。いつもは感情を表に出さない、頑固な父親も娘の活躍を誇らしく思っているのだ。

「真理ちゃんも偉くなったもんだ。でも、日本に来たら寿司をつまみに来ておくれよ」
 源さんはそう言うと、目を細めた。

 真理の新たなステージが始まろうとしていた。

MTCラボ シンガポール

 その頃、萌はK01とロボットの製造工程にいた。うっすらと化粧しただけで、ブルーの作業着に身を包んだ萌は、それでもひときわ目立っていた。そんな萌に中国系の男が寄り添っていた。マイクと呼ばれているシンガポール国籍のその男は、MTCラボの開業と共に、米国の大手機械メーカーから転職してきたばかりだった。

「この工場は、2つの製品を作っているんです」
 と、マイクは萌がわかるようにゆっくりと英語で説明した。

「ひとつはK01。それとロボットです。そのロボットでK01を作っています」
 萌は、マイクが何を言っているのかよく理解できなかった。英語が理解できないからではなかった。ロボットとK01がごちゃごちゃになってしまったからだった。当惑した表情の萌に、マイクはやさしく、丁寧に説明を始めた。

「この会社はロボットを使ってK01を作ると同時に、ロボットをリース会社に販売しているんです。つまり、ロボットは固定資産であり、製品なんです」

 なるほど、と萌は思った。MTCラボはK01とロボットの2つの製品を販売しているとは、そういう事だったのだ。ここまで理解すると、萌に次々と疑問が湧いてきた。

「固定資産のロボットと製品のロボットは、全く同じものでしょうか」
「同じと言って差し支えありません」
 マイクが答えた。

「そうですか。つまり製品として作ったロボットを固定資産に振り替えているのですか?」
 萌が聞いた。

「そうではありません。製造オーダーで分けているんです」
 マイクの説明はこうだった。

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「第22話「ボクはそうは思わない。日本は必ず蘇るよ」」の著者

林 總

林 總(はやし・あつむ)

公認会計士

外資系会計事務所、監査法人勤務を経て開業。国内外でビジネスコンサル、管理会計システム導入コンサルのほか、大学で実践管理会計の講義を行っている。また管理会計の草の根活動として、団達也会を主宰。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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