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自動車各社、現地支援はいつ届く?

未曾有の危機にもどかしさも

2011年3月22日(火)

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「輸出前のパトロールがどっかに置いてなかったか?」

 東北・三陸沖を震源とする大震災が起こってから2日後の3月13日日曜日。横浜市の日産自動車本社では災害対策本部の会議が開かれていた。テレビには津波に根こそぎさらわれた被災地の映像が次々に映し出されている。「何とか、物資の支援もできないか」。志賀俊之・最高執行責任者(COO)が話し始めた時、冒頭の声が会議室の一角から上がった。

 パトロール――。日産が海外向けに販売している大型のSUV(多目的スポーツ車)だ。砂漠や荒れた道の多い中東やアフリカで人気がある。日産の人気ミニバン「エルグランド」よりもさらに一回り大きいクルマと言えば、その大きさの想像がつく人もいるだろう。がれきが点在する被災地で、人や物資を送り届けるには「もってこい」のクルマだ。

緊急時でも役所に「陳情」

 しかし、ほどなく問題も明らかになった。このパトロールは50台ほど見つけられたものの、もともとの納入先は国際連合となっていた。国連が不平を言っているということではない。クルマの装備が海外仕様になっているので、法規上はそのままでは日本の公道を走ることが認められていない。

 「緊急時だから、何とかこのまま日本の公道を走れるよう許可してほしい」。震災から6日目の17日。日産の職員は国土交通省に「陳情」へ赴いた。

 日産はほかにも、横浜本社に備蓄していた毛布1000枚、マスク5万枚、1リットル入りの消毒液300本を被災地に送る用意をしている。連携しているのは、経済界やNGO(非政府組織)、政府がかかわる国際的なNPO(非営利組織)法人「ジャパン・プラットフォーム」だ。この組織が各地のNGOなどと連携し、被災者へ物資を届ける橋渡し役になってくれる。

 しかし、18日時点では「ガソリンの調達が難しく、輸送手段をなかなか確保できない」(ジャパン・プラットフォーム)。物資は用意したのに、届ける手段がないというのは、もどかしい限りだ。

 グローバルな物流網を持つ自動車メーカーですら、被災地に直接、物資を届ける手段となると、ノウハウがない。

配送先が分からない

 富士重工業は工事現場などでガソリンを入れて動かす発電機を約40台、投光器を約60台、浸水した家屋から泥水などを吸い出す排水用ポンプを約120台、河川水などきれいな水を汲み上げるためのポンプを5台を被災地に送ることを決めた。これらを生産している埼玉製作所(埼玉県北本市)に在庫としてあったものだ。

 しかし、現地に送るのは簡単ではない。「配送先がどこになるかの指示がこない」。18日時点では埼玉製作所に、発送予定の小型発電機がパレットに載った状態で置かれていた。発送の準備を整えたのは3月14日。日産と同じジャパン・プラットフォームによる被災地への配分を今か今かと待っている状態だった。

画像のクリックで拡大表示

 富士重工は北関東にある寮や社宅に200人以上が入れるだけの空き部屋がある。ここに被災した販売店の従業員を受け入れる準備も進めている。災害対策本部の中村俊雅・総務部長は、「販売店の従業員をこちらで受け入れることで、これから被災地に建設される仮設住宅をできるだけ現地の人に使ってもらえるようにしたい」と狙いを語る。

 ホンダも富士重工と同じく、小型の発電機を約1000台、被災地に送る。燃料にガソリンを使う製品が500台で、残りの500台はカセットコンロに使うガセットガスで発電する「エネポ」という商品だ。「携帯電話機の充電やパソコンの電源として利用してもらえると思う」(ホンダ)。交換用のカセットガスも5000本確保した。岩手県と宮城県、福島県、茨城県がそれぞれ設けた対策本部に直接連絡し、各地域の物流拠点まで運びこむとしている。

 さらに14日以降、全国の販売会社を通じて数百台規模のオフロードバイクや「スーパーカブ」をかき集めた。ただ、運転手やガソリンの不足により現地に送るのはこれから。被災地で実際に役立つのは少し先の話になりそうだ。

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「自動車各社、現地支援はいつ届く?」の著者

細田 孝宏

細田 孝宏(ほそだ・たかひろ)

日経ビジネス 副編集長

1995年早稲田大学卒業。日経BPに入社し、日経ビジネス編集に配属される。日経アーキテクチュア編集、日経ビジネス・ニューヨーク支局長などを経て現職

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

山根 小雪

山根 小雪(やまね・さゆき)

日経ビジネス記者

日経コミュニケーション、日経エコロジーを経て、2010年1月から日経ビジネス記者。エネルギーを中心に、自動車や素材など製造業を担当する。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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