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横浜市、離れた都市なのに混乱波及

行政の機能喪失は想定外、支援を急ぐ

  • 加藤修平(日経ビジネス記者)

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2011年3月19日(土)

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 「通常の業務をする職員を派遣して欲しい」。3月11日に東日本を襲った大震災の直後、横浜市は仙台市からこんな要請を受けた。

 今回の震災で東北の自治体は行政の機能を果たせなくなるほどのダメージを受けた。多くの職員が被災者となり、津波に襲われた沿岸部に住む身内とは連絡すらままならない状況が続く。被災を免れた職員も含めて災害復旧にかかりきりになり、仙台市は日常の業務をこなす職員が足りなくなった。

 横浜市はこれを受け、13日に仙台へ先遣隊を派遣。職員から応援要員を募り、若手管理職を中心に事務職員の現地派遣を始めた。18日までに現地に赴いたのは4隊で計93人。現地への交通手段は横浜市交通局の市営バスが使う路線バスの車両だ。

 現地への派遣に応じた横浜市の山田正人・副市長は「行政機能が喪失するというのは、想像もしていなかった」と話す。

帰宅困難者への対応は不十分

 震源地からは離れた横浜市でも混乱は続いている。震災当日の11日は鉄道の運休で帰宅が難しくなった人々が横浜駅や新横浜駅にあふれた。この時はパシフィコ横浜などの施設を開いて帰宅困難者を収容した。しかし、毛布や食料といった緊急時の物資はあくまで横浜市が直接、災害に見舞われる時を想定しており、市内の18区に分散して備蓄してある。輸送のトラックは交通渋滞に巻き込まれ、毛布がパシフィコ横浜に届けられたのは夜中になってからだった。

 そして頭が痛いのは、東京電力による計画停電だ。
 
 今のところ表面化はしていないが、停電で浄水場のポンプが動かなくなれば、市内で断水が起こるかもしれない。病院も切実。人工呼吸器の電気がなくなるといった事態が考えられる。横浜市営地下鉄も変電所が2カ所、同時に停電になると運行できなくなるという。

 山田副市長によると、東電は横浜市に対し、計画停電のスケジュールを連絡してきている。市はこの情報をもとに区役所にスケジュールを張り出すなどの対応をしている。しかし、この情報が東電のホームページの内容と異なり、市民からの問い合わせにちぐはぐな回答をしたこともあった。

 地元にあるJX日鉱日石エネルギーの根岸製油所(横浜市)が操業停止に追い込まれたことから、「横浜市もガソリンの需給がかなり逼迫している」(山田副市長)。市民の生活の足を奪っていることに加え、重油や軽油が不足すると横浜港の港湾荷役に滞りが出てしまうという。

ここもいつ災害があるか…

 そして最も大きな不安が、横浜市もいつ災害に見舞われるかは分からないことだ。「被災地を色々と支援しながらも、やはりここでも何かあるかもしれないと思っているわけで。できることを能力のすべてやるということは…」(山田副市長)。

 戦後最大の震災は、全国の自治体に災害に万全の備えをすることが、いかに難しいかを痛感させている。

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