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災害現場に急行した自衛隊の実力

ヘリの輸送能力は世界最大規模

  • 清谷 信一

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2011年3月19日(土)

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 3月11日に起こった東日本巨大地震において、自衛隊はいち早く遭難者・被災者の救助、救援のために出動した。このような地震や津波といった天災において自衛隊、あるいは軍隊は最も頼りになる組織だ。以下、自衛隊が持つ、輸送、医療、食、核の能力について見る。

災害時の輸送に使えるヘリは500機強で世界最大規模

 第1に自衛隊は、必要な物資の輸送において大きな貢献をしている。

 自衛隊は、道路や橋梁が破壊されても、施設課(工兵)がそれを修理する。あるいは、自前の架橋システムなどを利用することで通行を可能にする。また「73式装甲車」など、装軌式車輛、いわゆるキャタピラを有した装甲車輛ならば、道路が破壊された場所、あるいは道路がなく通常のトラックが通れない場所でも通行が可能だ。今回のように津波で瓦礫が散乱している場所、地面がぬかるんでいる場所、火山灰などで道路が埋まっている場所などでも活動ができる。

 またタイア式の装輪車輛でも、通常のトラック以上の走行能力を持つタイプを装備している。あるタイプは、タイアの圧力を変えることで不整地踏破能力を持っている。パンクをしても一定距離を走ることが可能なランフラット・タイアを装備している車輛も多い。

 陸上での輸送が不可能であれば、空輸能力を使う。ヘリコプターを使用したり、自前の輸送機で物資を投下することが可能だ。また、ヘリ空母に搭載した救援物資をヘリで沖合の揚陸艦に運び陸揚げする。その帰りには、被災者を搬送する、といったことも可能だ。

 消防や警察、自治体のヘリは小型が主流であるが、自衛隊は輸送用中型ヘリ「UH―60ブラックホーク」(搭載量は貨物1.2トンあるいは人員12人)や大型の「CH-47チヌーク」(搭載量は貨物9トンあるいは人員55人)をそれぞれ28機、70機(陸上自衛隊54機、航空自衛隊16機)保有している。これらは、一度に多くの物資や被災者を運ぶことができる。車輛などの重量物を空輸することもできる。もちろん、増漕を搭載すれば航続距離を伸ばすことが可能だ。

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大型ヘリ「CH-47チヌーク」。搭載量は貨物9トンあるいは人員55人

 海上自衛隊や空自は、救難用ヘリ「UH-60J」を約60機保有している(汎用型の派生型)。これだけ多量の救難ヘリを有している軍隊は米軍以外ほとんどない。また海自は、対潜水艦ヘリ「SH-60J」及び「K」を95機ほど持っている。これらの対潜装備を降ろせば、救難や人員輸送に使用できる。同様に、約10機ある大型掃海・輸送ヘリ「MH-53E」や「MCH-101」も掃海キットを降ろせば大型輸送ヘリとして救難や物資の輸送に使用することができる。

救難用ヘリ「UH-60J」

 災害援助に投入できる自衛隊のヘリは400機を越えるだろう。これは世界でも極めて大きな規模と言える。

 輸送艦「おおすみ」やヘリコプター護衛艦「ひゅうが」などの貨物用のデッキや航空機の格納デッキなどを利用すれば、数百人から千人以上の被災者を収容することができる。これらの艦艇には外科用の手術室から歯科医施設まで本格的な医療施設が備えられている。必要とあらば、コンテナ式の医療システムを増加することも可能だ。当然ながら温かい食事をとったり、入浴や洗濯も可能である。

 「おおすみ」級輸送艦が2隻ずつ搭載しているホバークラフト型の「LCAC(Landing Craft Air Cushioned)」は、砂地や揚陸設備が破壊された港湾に乗り上げて、約50トンの貨物や人員を積み卸しできる。災害救助に有効である。

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