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被災者支援、「力になろう」と思っちゃダメ!

生きる力を引き出す4つのポイント

2011年3月24日(木)

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 こういう時というのは、何を、どう書いたらいいのか、実に悩む。

 実際に被災地にいるのなら、その場で起こっていること、その場の空気、そこで感じることをありのままに書きつづることもできる。

 だが、今、私がいるのは被災地ではない。少しばかりの募金をしたり、できる限りの節電をしたり、必要最低限のものしか買わないようにしたりと、今、できることを、可能な限りやってはいるが、それだけでしかない。

 温かいご飯を食べ、暖かい寝床で寝ているくせに、「被災者のために〇×すべきだ!」などと、勝手な思い込みで発信することはやりたくない。だって、それはある意味、偽善であり、おごりじゃないかと思うからだ。

 であればとばかりに、「被災者の方たちが少しでも元気になる原稿を!」と願ったところで、実際に被災している多くの方たちが、このコラムを読める環境にあるとは到底思えない。

 もどかしい。でも、何かやりたい。自分なりに。今できることを──。

被災地にいない人に知ってもらいたいこと

 そう思うと、余計に何を書いたらいいのか分からなくて、パソコンのキーボードをたたく指が重たくなる。

 で、散々悩んだ結果、今、このコラムを読める環境にいる人、「何かやりたい」と思っている人。そういった方たちが、今後(あるいは既に)、被災者の方たちの力になるべく、手を差し伸べた時に、少しでも役に立ちそうなことを書こうと思う。

 この先、日常を取り戻すようになればなるほど、被災した方々は、いくつもの厳しい現実と向き合うことになるだろう。とりわけ今回の被災者には、高齢の方たちが多いように見受ける。この先復興していくうえで、おじいちゃん、おばあちゃんたちには、まだまだ元気に頑張ってもらわなくてはならないし、元気でいてほしいと心から願う。

 そこで、被災した高齢者の方たちに私たちが接した時に、おじいちゃん、おばあちゃんたちを元気づけるために知っておいた方がいいことは何か。これまで行われてきた高齢者と地震、あるいは強度のストレスが高齢者に及ぼす影響などの調査結果を基に、あれこれ考えてみようと思う。

 調査結果がベースになるため少々読みづらいかもしれないけれど、少しでもこの先思い出して、支援に役立てていただければ幸いです。

生きる力は若い世代よりも高齢者の方が上

 まずは、今回の震災がもたらす甚大なストレスに対処する力(=生きる力)が、高齢者と若い世代とで違いがあるかどうか、について考えてみよう。

 地震が発生してから4日後の3月15日には、大津波で壊滅的な被害を受けた岩手県大槌町で、津波で流された民家から、75歳の女性が救出された。地震発生から約92時間ぶりのことだった。また、同じく大津波で甚大な被害を受けた宮城県石巻市門脇町では、9日ぶりに80歳の女性と、16歳のお孫さんが救出された。

 どちらも被災者の生存率が大きく下がるとされる「地震発生後72時間」を大きく過ぎた中での生還で、奇跡に勇気づけられるのと同時に、「高齢で体力的に本当にシンドイ中、踏ん張ったのだなぁ」と頭が下がる。

 恐らく助けに向かった息子さんや、一緒にいたお孫さんの存在が大きな支えになったのだろうが、そこで本人が「どうにかして踏ん張って生きよう。生きたい」と思わない限り、奇跡は起こらない。

 想像を絶するような困難に遭遇した時に、「どうにかして乗り越えよう。きっと乗り越えられる」という気持ちを本人が持てるかどうかは、非常に大切である。

 この気持ちは、ストレス対処力(生きる力)として何度もこのコラムで取り上げてきたSOC(sense of coherence=首尾一貫感覚)である。それは、「どんな状況の中でも、半歩でも、4分の1歩でもいいから、前に進もうとする、前向きな力」と置き換えることができ、すわ困難な状況に遭遇した時に、困難を乗り越えようと踏ん張る強さだ。

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「被災者支援、「力になろう」と思っちゃダメ!」の著者

河合 薫

河合 薫(かわい・かおる)

健康社会学者(Ph.D.)

東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。産業ストレスやポジティブ心理学など、健康生成論の視点から調査研究を進めている。働く人々のインタビューをフィールドワークとし、その数は600人に迫る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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