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危機を越えるとき~いちばんシンプルで大切な考え方

2011年3月29日(火)

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 「想定を超える事態が起こった」。

 これが、いまだに事態が収まらない原因なのでしょう。もちろん、それは誰の責任でもありません。人間の知恵が自然の力を推し量れなかったのですから。

 間違いなく全員が認める、この想定外の事態。ということは、それに対処し復興させるやり方やプロセスも、今までと同じわけにはいかないということです。

 これがいちばん大切でシンプルな考え方。誰も経験したことのないプロジェクトを立ち上げたようなものです。

 マーケティングで言えば、超新製品開発に挑むとき。みなさんも経験がおありでしょうが、いちばん頭を悩ませるのがスタッフィング。決して、現有スタッフでチームを組もうとは思いません。

 「新しい血が必要だ」「組織横断で行け」「女性の力を借りよう」などと考えるはず。他部署からの人材、若手、外国人もいるかもしれません。そこでは、従来のルールは棚上げされ、経験論は2の次。新しい視点や常識の盲点になっていることが論議され、新しい発想が受け入れられるのです。

 さすがのお堅い幹部連中も、このときばかりは成り行きを見つめる側に。もちろん、経験的に使えるアドバイスは拒むものではありません。

「タイムライン」だけはしっかりつくっておいて

 それから、このチャレンジで大事なのは、マーケティングフローではありませんが、タイムラインをしっかりと作っておくこと。どの時期に何をして、どの時期に結果が出るといったフローです。これを作っておけば、今何をしているかがすべての人に分かるわけです。もし、うまくいかなかったり変更が余儀なくされたりしたら、きちんと理由を説明して変えればいいのです。

 今回の被災をマーケティングの観点で見るというのは軽々しすぎるかもしれませんが、いまの復興のプロセスを見ていると、そう思わざるを得ません。

 たとえば、救援物資についてみても、たくさんの方の援助によって、物資はだいぶ現地近くに集まっているようです。しかし、そこから必要としている人たちへ十分に行き渡っていない。道路、ガソリン、人手などの問題がそれを阻んでいるとしたら、自衛隊などの公的支援だけではなく、ボランティアを解禁してもいいでしょう。仕分けや積み込みくらいはできます。

馬車も借りてもいい。常識を捨てて復興作業を

 また、東北は馬産地。久々の馬車の登場はどうでしょう。1960年のチリ地震津波のときは、自分も小学生の時八戸で被災しましたが、河口近くで路上に上がったイカ釣船を馬車で復興作業していましたから。

 バカバカしいアイディアかもしれませんが、そういう今までと違うアイディアの出せる人が必要ではありませんか。

 今まで通り、現地からの要請がなければ出さない、というやり方をしていては乾電池供給のように後手を踏むばかりです。また、民間ヘリの解禁や、海からの輸送にしてもなぜか遅い。

 信州大学経済学部の真壁昭夫教授もメルマガで次のように書いています。

 「過去の経験を引きずっていると、どうしても、色々なことを考慮する可能性が高まります。中でも、既得権を持っている人たちからの影響を、完全に排除することは難しいと思います。若い、新しい人であれば、そうした"しがらみ"を持っていない可能性は高いはずです。旧態依然とした"しがらみ"を持たないことは、かなり重要なファクターになると思います」と。

 高度成長期の日本に活躍し成功された方たちは、過去にこだわりすぎて違う意見に耳を傾けなくなっているような気がします。そうなれば、日々進行する荒廃を止める手立てが遅くなってしまいます。もちろん、過去の経験が生きるときはその経験を発揮していただけばいいのです。

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「危機を越えるとき~いちばんシンプルで大切な考え方」の著者

関橋 英作

関橋 英作(せきはし・えいさく)

マーケッター

外資系広告代理店JWTでコピーライターから副社長までを歴任。ハーゲンダッツ、キットカット、デビアス・ダイヤモンド、NOVA英会話学校など、数多くのブランドを担当、成功に導く。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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