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震災後のモノづくり復興、6つの条件

今こそ見直せ「メード・イン・ジャパン」の底力

  • 常盤 文克

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2011年3月31日(木)

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 東北地方を襲った東日本大震災の影響がとどまるところを知りません。想像を絶する激しい地震と津波、そして原子力発電所の大事故という3つの重大災害が重なり、現地の被害の悲惨さは筆舌に尽くしがたいものです。

 被害に遭われた方たちには、心よりお見舞い申し上げます。また、原発事故の影響を最小限に食い止めようと体を張って作業に従事している人たちには、ただただ頭が下がる思いです。

 この未曽有の大災害によって、我が国はいま大変な危機にあります。直接的な被害だけでなく、電力不足に伴う計画停電と経済活動への影響、原発事故による身体と食の安全への不安など、今回の災害は日本の人々の生活を一変させました。

 同時に、地震や津波によって企業の工場や物流拠点なども大きなダメージを受けました。停電によって工場の稼働を停止、または抑制せざるを得ない企業も多く、結果として様々なモノの生産と流通が滞っています。

災害を契機にモノづくりの価値観を転換せよ

 この危機的な状況を乗り切るには、今まで当たり前だったもろもろの価値観を変え、この難局に臨まねばなりません。

 ここでは「モノづくり」をいろいろな視点から考えてみたいと思います。モノは多面体なので、どこから見るかでいろいろな顔を見せます。その1つが、モノに対する価値観(物差し)です。

 これまで我々の生活はモノに満ちあふれる一方で、これが欲しい、あれが欲しいと不満だらけで、モノに対する感謝の念が欠けていました。この甘い生き方を反省し、物差しを変えていく必要があります。

 また、日本のモノづくりは「量より質」と言いながらも、結局は量を追い求めてきました。企業は量を増やし、売り上げを伸ばし、利益という数字を追いかけることで成長してきたのです。

 家電や携帯電話、自動車といった製品には、最新・最高の技術で高機能・多機能が付加され、それが最良であるとされてきました。あれもこれも詰め込むことで差異化し、結果として一部の人にしか使われない機能が増えてしまったのです。モノづくりが肥大化し、「メタボ商品」が世にはびこってきたと言っていいでしょう。

 ところが、これは必ずしも使い手のニーズに合ったものではありません。本来の「質」を重視したモノづくりとは、使い手の真のニーズに応えることのはずです。最新・最高にこだわることなく、「最適な技術」で使い手に合った「最適な製品」をつくる。それこそが、本当の「質」とは言えないでしょうか。

 モノづくりのプロセスにも同じことが言えます。省資源(材料、部品の構造をより簡素に小さく)、省エネ(電力、石油の消費をより少なく無駄なく)の「最適な生産プロセス」を徹底的に追求することが重要です。モノのありがたみを知った今こそ、我々はモノづくりの本来の姿を見つめ直す、機会を迎えているのです。

「陰陽思想」に見る物事の対極の重要性

 2つ目が、物事の一点だけを見ないで、その対極にあるものをしっかり見ることです。以前にこのコラムで書きましたが、中国には「陰陽思想」があります。物事は必ず「陰」と「陽」の2つの組み合わせで成立している、という考え方です。

 物事には表と裏があり、昼があれば夜が、西があれば東があります。このように、物事は陰と陽が対立していながら、その両方があって初めて成り立つのです。一方だけを見て、その“対”にあるものを見逃してはなりません。

コメント6件コメント/レビュー

「見える化」=「見えない部分を切り捨てる活動」としている部分をはじめ、色々な事象を、「言いたいこと」に対して後付けで「理由づけ」している感があります。ちょっと残念です。 / 「品質・機能の過多」に関する部分も、論理が短絡的という気がします。過剰品質を全肯定するつもりは毛頭ありませんが、「使ってみて、がっかりすることはない」という安心感が、日本製品の1つの魅力でもあり、そのためには「少し過剰である」くらいのものが必要になります。日本製品(サービス含む)のそういう点を愛好している外国人の方も多いはずです。(=Japan is cool) / Apple製品も、「too amazing」な部分こそが支持されているのであって「Optimized/optimal」であることが評価されている訳ではないと思います。(2011/03/31)

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いただいたコメント

「見える化」=「見えない部分を切り捨てる活動」としている部分をはじめ、色々な事象を、「言いたいこと」に対して後付けで「理由づけ」している感があります。ちょっと残念です。 / 「品質・機能の過多」に関する部分も、論理が短絡的という気がします。過剰品質を全肯定するつもりは毛頭ありませんが、「使ってみて、がっかりすることはない」という安心感が、日本製品の1つの魅力でもあり、そのためには「少し過剰である」くらいのものが必要になります。日本製品(サービス含む)のそういう点を愛好している外国人の方も多いはずです。(=Japan is cool) / Apple製品も、「too amazing」な部分こそが支持されているのであって「Optimized/optimal」であることが評価されている訳ではないと思います。(2011/03/31)

指摘している方向性や問題提起は良いとしても、日本の企業やモノヅクリが今のような状況に陥った原因を何が何でも単に米国流の経営に求めるというのは、非常に違和感がある。筆者自身が指摘しているように、日本のIT製品はアップルの「iPod」「iPhone」などに完膚なきまでに負けているが、そのアップルはまぎれもない米国の会社である。日本の大企業が滅んでいるのは米国流の経営を取り入れたからでは決してなく、その神髄である会社は株主のものであるという根幹を換骨奪胎して、自分たち「経営者」のためだけに都合の良い米国流とは似て非なる経営システムに堕したからに過ぎぬ。(2011/03/31)

時代は変わった。いや、もう既に変わっていたのかもしれない。特に大企業においては、変化に適応するのに十分なリーダーシップを持たない経営者には荷が重い。決断力不足、スピード不足、具体的ビジョンの不足、そういった旧態依然の経営者がトップに居座るリスクは、東電が見事に示してくれた。この、痛みを伴う経験を無駄にしてはならない。人間はどうしても自分に甘い点と付けたがる。それを加味すると、「自分は常盤氏やゴーン氏並みには有能である」とは思わない経営者は、大企業の経営から速やかに手を引く時である(2011/03/31)

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