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国民全員で、被災地と日本の復興を最後まで見届けよう

16年前の震災をきっかけに人生を変えた人たちに学ぶ

  • 武田 斉紀

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2011年4月4日(月)

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阪神・淡路大震災の映像を見て、足が震えた・・・はずだった

 16年前(1995年)の1月17日朝。私は東京・神田の駅前ビルの壁面に映し出されたニュース映像に、ショックを受けた。街が燃えている! 「関西で大地震」との仰々しいテロップ。上空から見下ろしたその光景は、まるで映画の映像ではないかと錯覚しそうだった。聞けばまだ詳しい状況さえつかめていないという。これは新幹線で数時間行った先で本当に起こっている現実なのだろうか。

 地震発生が午前5時46分という早朝であったため、多くの人が自宅で就寝中だった。亡くなられた方は住宅に集中している。私は阪神高速道路が横倒しになり、崩壊している映像に再び衝撃を受けた。足が少し震えているのが分かる。やはり現実だ、大変なことがこの日本で起こってしまったと思った。

 連日のニュースで、被害状況が伝えられた。実態が把握できるにつれて、震災の爪跡の深さが明らかになる。しかしほぼ実態が見えてきたあたりから、マスコミは震災関連ニュースを次第に取り扱わなくなっていった。もちろん被災地およびその周辺では事情が違ったのだろうが、少なくとも東京には伝わってこなかった。義援金の募集は続いていたし、節目のタイミングでは特集が組まれたりもしたが、地元の人たちががれきの山から復興していく姿はあまり丁寧に報道されなかったように記憶している。直接の被害もなく、遠く離れた東京に住む私は、すぐに被災地のことを忘れ平和な日常に戻ってしまった。

 あれから16年がたった。今年も1月17日には追悼式が執り行われたようだ。東京でもおそらく1年ぶりにニュースとして取り上げられた。そして「1・17」から約2カ月がたった「3・11」の午後2時46分。宮城県を中心に、日本の東半分が大きく揺れたのだ。私はその時間、外出先から戻り客先訪問の準備をしていた。

 オフィスで地震を感じたことは過去にも何度もあったが、揺れの程度が違った。揺れがやや収まったところで、一気に外階段まで出た。ビルはまた大きく揺れた。正面に7、8階建てくらいのビルが並んでいるのだが、その後ろにそびえ立つ地上32階建のクロスタワーが、左右に揺れて見えたり隠れたりしている。ぞっとした。上階の人たちはどうしているだろう。

 電車はすべて止まっていたが、みんな何とか歩いて家に帰れそうだというので、早目に判断して社員と共にオフィスを出ることにした。既に幹線道路は人であふれ始めていた。数時間かかって自宅にたどり着く。突っ張り棒のおかげで食器棚にもほぼ被害はなかった。

 やがて親せきや友人・知人にも大した被害はないと分かり内心ほっとする。被災地のニュース映像に朝から晩までくぎ付けになり、心を痛めながらも、自分の日常のことが気になってくる。週明けからの会社と従業員と仕事のこと、従業員の通勤手段と自宅勤務の準備、そして計画停電、突然巻き起こった放射能への不安。

 早いもので「3・11」からもうすぐ1カ月になる。被災地域の広さや規模から、依然関心は高いものの、東京では一部のメディアを除いては被災地の状況を伝えるニュースは次第に減りつつあるように思う(4月1日は新入生の話題などで、久しぶりに原発よりも先に伝えられた)。最大の関心事は、福島第1原子力発電所の事故に伴う放射能漏れと日本経済への影響だ。何かあれば多くの命にかかわることであり、世界の注目度と不安、生活への影響などを考えれば致し方のない面もある。だが私を含めた日々目の前に被災地が見えない地域に住む人たちは、今後何年かかるか分からない被災地の復興と、地元の人たちの暮らしのことを忘れてしまわないだろうか。

 東日本大震災は明らかに“国難”レベルであるということもあるが、「がんばろう神戸!」に代わって、「がんばろうニッポン!」を国民一人ひとりが最後まで叫び続けられるだろうか。まずは阪神・淡路大震災を経験し、復興を見届け続けた人たちに学んでみようと思う。

コメント28件コメント/レビュー

理想論だと思います。けれど、今必要なのは理想だと思います。(2011/04/06)

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

理想論だと思います。けれど、今必要なのは理想だと思います。(2011/04/06)

コメントに対するコメントになりますが。筆者に対し、「あなたは何をするの?」「あなたも評論家になっているじゃない」というコメントがありますが、的外れだと思います。日経新聞社や日経BP社が「伝えていきます」と広告をだしているように、筆者はこの記事のような言論活動で、人々に伝え、啓蒙するという活動をしているのだと理解しています。他人に対して何も伝えていない読者である我々と、何万人に対して自らの言葉を届けることが出来るコラムニストやジャーナリストを同じ立場だと誤解して批判するのは、的外れでしょう。(2011/04/05)

私は海外に住んでいます。復興したら東北を旅行します。その時はがんばった皆さんと話し、人生を分かち合います。その日が近いうちに来ることをお待ちしております。神が彼らに力を貸してくださるよう毎日祈っています。がんばれ、日本! 人は人です。人という意味で皆ぶれない。和はそんな日本人のぶれないつながりでしょう。(2011/04/05)

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行天 豊雄 国際通貨研究所名誉顧問