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被災者がかかりやすいPTSDの特徴

テレビ映像で類似の症状に陥る恐れも

  • 久保田 文(日経メディカル記者)

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2011年4月5日(火)

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 「津波に追い立てられるようにして、命からがら逃げた人もいた。本当に怖い目に遭ったようだ」――。

 想定外の津波が、多くの人命を奪った東日本大震災。宮城県南三陸町などの避難所で診療に当たったある医師は、被災者の印象をこう話す。震災から3週間余りがたち、被災者には疲労の色も濃くなってきた。そんな中、必要性が高まっているのが被災者の精神的ケアだ。

 自然災害などで生死の境をさまようような体験をすると、人は誰しも心に傷を負い恐怖感や無力感にさいなまれる。こうした感覚は通常、時間の経過とともに徐々に消えていく。しかし、被災者の中にはいつまでも消えず、外傷後ストレス障害(PTSD)にかかる人がいる。

過去の災害では被災者の5~10%が発症

 PTSDは、1960~70年代に米国や英国などで注目され、研究が進んだ。背景には、戦場からの帰還兵の中で、社会に適応できず、暴行や虐待を受けた被害者と類似した症状を見せる人が目立ったことがあった。1980年代には精神的な病気の1つとして認知され、診断基準も確立した。日本では、阪神・淡路大震災や地下鉄サリン事件でPTSDに苦しむ被災者や被害者がクローズアップされ、社会的な関心が高まった。

 PTSDが疑われるのは、心に傷を受けた体験から1カ月以上たっても次のような症状が消えない場合だ。

(1) 思い出したくない出来事を思い出してしまう(侵入症状)
(2) 悪夢を伴う不眠、音への過剰な反応など神経が過敏状態にある(過覚醒症状)
(3) 恐怖感を思い出させるような出来事について考えることを避けたり、喜怒哀楽の感情が麻痺したりする(回避・麻痺症状)

 過去の自然災害では、被災者のうち5~10%がPTSDにかかったと言われる。防衛医科大学精神科講師の重村淳氏によると、被災者の中でも特に子供や女性、障害者、外国人や貧困者などの社会的弱者がPTSDにかかりやすいという。

 PTSDを治すには、まず、支援物資の供給や医療体制の確立といった被災者への社会的支援を充実させることが不可欠だ。また、意識的にゆっくり腹式呼吸をしてリラックスする、これまでやっていた趣味や娯楽などを再開するなど、自分自身をいたわるセルフケアも大切。その上で、医師が必要と判断したときは、抗うつ薬などを服用する。

テレビ映像で頭痛や不眠に陥る人たちも

 精神的ケアが求められるのは、被災者ばかりではない。東日本大震災では津波や火災、被災地の悲惨な状況などが繰り返しテレビで放映された。実は今、こうした映像を見て気分が悪くなり、医療機関を訪れる人が増えている。

 厳密にはPTSDではないものの、テレビを見ることで不安な気持ちになり、それが心身の健康に影響を与えて、頭痛や腹痛、吐き気、不眠といった様々な症状を引き起こす。子供の場合は、いつも以上に親に甘えたり、突然反抗的になったりする症状も表れるという。

 重村氏は「こうした人にも、腹式呼吸や日ごろの趣味や娯楽を取り戻すなどのセルフケアが有効だ。テレビの視聴時間を最小限にとどめるのも重要だろう」と話す。症状が深刻な場合は、医療機関への受診を検討するといい。

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