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第25話「いまは創立以来、最大の危機だと認識してほしい」

2011年4月6日(水)

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前回までのあらすじ

 MTCの東京本社には沢口萌が入社し、シンガポールのMTCラボに赴任した。萌は原価計算のシステムを作るよう達也に指示されていた。

 MTCのCFO、細谷真理は、本社のある東京を発ってシンガポールに向かった。社長の団達也も2人の後を追って日本を発った。

 達也は恩師の宇佐見が亡くなったことでショックを受けていたが、日豊自動車の専務取締役、湯浅と意見交換しながら、K01の次を考えていた。

日豊自動車

 日豊自動車は、大震災後の対応を協議するため、協力会社の経営者を愛知県にある本社に集めた。冒頭、専務の湯浅は憔悴しきった面持ちで、全員に向かって訴えかけた。

「サプライ・バリュー・チェーンを修復することに全力をあげてもらいたい」

 サプライチェーンマネジメント(SCM)は、物流システムを複数の企業間で鎖状に統合し、経営の成果を高めるマネジメント手法のことだ。

 特定の企業から見た場合、サプライチェーンは、その企業と顧客を結ぶ物流管理と在庫管理(アウトバウンド)と、その企業内における材料・加工・組立および材料を提供するサプライヤーの生産、物流、在庫管理(インバウンド)に分けることができる。すべての企業は、プロセスの一部を担っている。このプロセスの川下に位置するほど、インバウンドを構成する企業の数は増える。

 企業活動とは、価値を付与し富を創造する活動だ。特定の企業だけが価値創造活動を行っているのではなく、一次産品の生産、素材の製造、素材を使った部品の加工、部品組み立てによる製品製造、製品の物流と販売といった一連のプロセスで、新たな価値が形成されるのだ。

 したがって、サプライチェーン(供給連鎖)はバリューチェーン(価値連鎖)でもある。より多くの価値を創造するには、サプライチェーン全体の効率を高めなくてはならない。企業が、厖大な資金をかけて、情報システムや物流システムを構築してSCMを行うのは、投資した以上の価値をもたらすからに他ならない。

 つまり、生産活動をスムーズにし、コストを引き下げ、在庫の保有量を減少させる。さらに、各企業が得意分野に特化することで、そのサプライチェーンは、バリューチェーンとしてより付加価値の高い製品を作り出す。一言でいえば、投資がもたらす財務的効果が大きいということだ。

 SCMが最も高度に発達しているのが、自動車産業だ。自動車一台あたりの部品点数は2万から3万点といわれている。しかも一つひとつの部品を作るにも、気が遠くなるほどのプロセスを必要とする。日豊自動車も、トヨタ自動車も、将来の需要を予測して、これら全ての部品の購入量と在庫量を決定し、さらに、それらの流れを同期化することで、在庫を管理している。部品を作りすぎれば、ムダな資金が滞留する。逆に、部品が足りなければ、サプライチェーンにおける生産が滞ってしまい、価値を作り出せなくなってしまう。

「熱血!会計物語 ~社長、団達也が行くseason2」のバックナンバー

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「第25話「いまは創立以来、最大の危機だと認識してほしい」」の著者

林 總

林 總(はやし・あつむ)

公認会計士

外資系会計事務所、監査法人勤務を経て開業。国内外でビジネスコンサル、管理会計システム導入コンサルのほか、大学で実践管理会計の講義を行っている。また管理会計の草の根活動として、団達也会を主宰。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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