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まだ新聞、取ってる?

NYタイムズが方向転換、「紙をやめて、オンラインで読んで」

  • 津山 恵子

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2011年4月12日(火)

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 今の私の部屋はとても人には見せられない。なぜなら、新聞だらけで、足の踏み場もないからだ。

 こんな状態になったのは、理由がある。

紙の新聞に慣れているが…

 実は、米国の新聞が、東日本大地震と福島第一原子力発電所の事故をどう報じたか、調べたくなった。そして、私の部屋には、新聞の山が積み上がった。

 それほど、洪水のような報道ぶりだった。ちょっと前まで、日本のニュースはほとんど無視されているような状態だった。日本の首相が米大統領と首脳会談をしても、一行も載らないことさえあった。それなのに、地震発生以降、毎日読み切れないほどの記事が掲載された。

 そこで、ニューヨーク・タイムズとウォール・ストリート・ジャーナル、ニューヨーク・ポストについて、地震発生直後の3月12日付けの新聞から半月分、地震関連記事を分類してみたくなった。地震・津波の災害後、ヒューマン・ストーリーはどんな扱いだったのか? 原発問題はどんな切り口で書かれたのか?

 それで、部屋中に日付順の各紙が並んでいった。その上を、猫2匹が駆け回るため、ページが破れたり、日付が違う新聞が混じってしまったりと、目も当てられない惨状が広がる。

 で、読者はこう思うだろう。米国の主な新聞は、オンラインで記事全文が読めるのに、なぜ、新聞を床に敷き詰めているのか?

 それは、目当ての記事が、オンラインの記事検索ではぴたりと見つからないからだ。

 例えば原発事故関連のニュースを探し出すとしよう。私の新聞を読んだ記憶は、こんな感じだ。

「米政府が16日に避難勧告地域を80km圏内と発表した後に、ニューヨーク・タイムズに大きなグラフィックスが付いた2ページの解説記事が出ていたはずだ…」

 そうしたら、3月17日か18日付けの新聞を開けば、すぐにお目当ての記事が見つかる。これがタイムズのオンライン記事検索で探そうとすると、そうはいかない。「fukushima, evacuation」などというキーワードでは、記事だけでなくブログにいたるまで100本以上がヒットしてしまう。筆者名を覚えていれば少しは絞り込めるが、見出しを一語一句覚えていて、検索用語として打ち込んでも、お目当ての記事に達しない場合さえある。

 つまり、私は、記事に使われていた写真とか、何ページ目あたりにあったとか、視覚で記事の「ありか」を探すことに慣れてしまっている。新聞を読み慣れてきた多くの方は、私と同じような感覚ではないだろうか。

 ところが、オンラインで、デジタルデータになった記事の量はあまりにも膨大で、表示の仕方もフォーマットが決まっているため、覚える術がない。

 それが現在、我が家の床が新聞の「海」になっている理由だ。

 このゴチャゴチャと混乱した状況から脱するには、新聞を紙で読むことをやめて、オンラインだけで読むように切り替え、「こんな記事があったはず」という記憶の仕方を、根本からデジタル仕様に変えるしかない。

 例えば、日々、オンラインで読んで気になった記事を、「デリシャス」などの「ブックマーク・シェアリング」サイトに放り込んでおくか、日々、自分独自のデジタル版スクラップブックをファイルで作るかだ。

 そして、私の背中を押すように、私が最もよく読むニューヨーク・タイムズから、「紙はやめて、デジタルに移行しなさいよ」というようなシグナルが送られてきた。

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