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第26話「事故を想定したロボット運用のノウハウが日本にはないんです」

2011年4月13日(水)

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前回までのあらすじ

 MTCの東京本社には沢口萌が入社し、シンガポールのMTCラボに赴任した。萌は原価計算のシステムを作るよう達也に指示されていた。

 萌は、MTCのCFO、細谷真理と一緒に、原価計算システムの構築に奔走した。だが、真理と萌は、社長の団達也が言った「製品寿命が違うと原価も違ってくる」という点が理解できず、二人で議論を重ねる日々を送っていた。

 達也は恩師の宇佐見が亡くなったことでショックを受けていたが、日豊自動車の専務取締役、湯浅と意見交換しながら、K01の次を考えていた。

 電気自動車の電池の技術は日進月歩で変わり、K01の製品としての寿命は、当初の予定よりずっと早くくる気配を見せていた。

日豊自動車 スマートグリッド

「きみが進めようとしているプロジェクトをひとまず棚上げにしてくれないか」

 日豊自動車社長、松田義一は、燃料電池車の開発を進めようとしている湯浅に告げた。競合他社にプラグインハイブリッド車(PHV)や電気自動車(EV)の開発で水をあけられていた日豊自動車は、MTCと組んで燃料電池車の開発に取り組もうとしていた。その矢先に起きたのが、あの大震災だった。

 地震は大津波と原発事故と大規模停電を引き起こした。いまも続く電力不足は、東日本の人々に不便を強いるだけでなく、経済活動の足を引っ張っている。

 電気は他の経済と決定的に違う特性を持つ。原油や天然ガスやウランなら危機に備えて備蓄しておけばいい。しかし、電気は備蓄できない。

 世界中がPHVやEV用のリチウムイオン電池の開発にしのぎを削ってきたのは、ひとえに備蓄できないという電気の特性に対する挑戦だった。しかし電気を大量に備蓄できても、効率よくモーターを回転させなければ、自動車の走行距離は伸びない。達也が目をつけたのはこの点だった。

 MTCラボで出荷が始まったK01は、電流をコンピューター制御することで、リチウムイオン電池そのものの性能を引き上げる画期的な商品だ。

 だが、燃料電池車が主流になれば、K01の製品寿命は大幅に短くなる。そう湯浅はにらんでいた。だが、この震災で状況は一変した。

 つまりこういうことだ。これまでは自動車はガソリンであれ電気であれ、燃料を消費して動かすものと思われていた。だから、原油価格の高騰に神経を尖らせてきたのだ。だが、よく考えてみると、PHVは電気という燃料を消費するだけでなく、発電する機械でもあるのだ。いわば、家庭用の発電基地にもなり得る。

「熱血!会計物語 ~社長、団達也が行くseason2」のバックナンバー

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「第26話「事故を想定したロボット運用のノウハウが日本にはないんです」」の著者

林 總

林 總(はやし・あつむ)

公認会計士

外資系会計事務所、監査法人勤務を経て開業。国内外でビジネスコンサル、管理会計システム導入コンサルのほか、大学で実践管理会計の講義を行っている。また管理会計の草の根活動として、団達也会を主宰。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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手嶋 龍一 作家・ジャーナリスト