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FBH――日本が取り組むべき相手は3つある

私たちが“本業で”できること

  • 武田 斉紀

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2011年4月18日(月)

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地震、津波とは戦えない人間にできること

 東京近郊、4月12日(火)午後2時7分。授業参観で教室の後ろに並んでいた私と母親たちの携帯が、一斉に「ウィン‐ウィン」と鳴り始めた。

 授業中だ、当然マナーモードにしている。担任教師が気づいて「緊急地震警報ですね」と苦笑い。少しすると揺れ始めた。座っていた生徒たちが「揺れてる」とつぶやく。教師や父兄は立っているのでよく分からない。大きな揺れが来た。「みなさん、では一応机の下に入りましょう」。子供たちが隠れる。机だけが並ぶ教室になった。

 しばらくして揺れも収まり、校内放送が流れて子供たちは机の下から戻ってきた。教師も子供も慣れっこになっているとはいえ、いい加減うんざりした表情なのがわかる。後で知ったが震源は福島県浜通り、震度は6弱と、平時なら全国のトップニュースになるレベルだった。

 震災から1カ月を過ぎても、毎日余震が止まらない。そう、ほんの少し前までは震度3、いや2を感じても「昨日は揺れたね」と話題にしていた。今や揺れても逃げ出すこともなく、まんじりと震度を確認してしまう。大きな余震は数日ごとに東北地方を襲い、震度5~6を示している。震源に近い人たちには慣れることなどないだろう。私は震度4だと正直怖い。この日、震源地近くで揺れを感じた男の子がニュースで泣いていた。「怖いよ~、もういやだよ~」と。

 子供たちはこのままずっと自然におびえて暮らさなければならないのだろうか。大人たちは何をしてやれるだろう。私たち人間は今回の地震と津波を体験して、大自然と戦うことはできないのだと思い知らされた。大自然に対して私たちにできること――それは今後自然が猛威をふるった時に、被害を最小限に食い止めるための「防災」の準備だ。

 余震はまるで、「まだ終わっていないぞ、また起こるかもしれないぞ」と、私たちに警告しているようだ。今後の防災対策は、地震については「震度7」を基準に考えざるを得ないだろう。津波はどうか。おそらくキリもないし予想もつかない。今回と同じ規模の津波なら耐えられるかどうかが、1つの目安になるのだろう。

 米国国内のニュースを見ていると、日本の東日本大震災に関するニュースは震災当時より格段に減っている。Yahoo! News USAGoogle News USAのトップページで「Japan」で検索すれば事態が分かるだろう。英国版で「Japan」、中国版で「日本」、仏版で「Japon」などでも試してみるとさらに掴める(中国は在日中国人も多いこともあって比較的関心は高く、特集が組まれてはいる)。ちなみに4月12日と13日は、政府が東京電力福島第1原子力発電所での事故をチェルノブイリ事故と同じレベル7と認めたことで一時的に一面に復活した。

 今でも純粋な気持ちで支援の手を差し伸べてくださる、世界中の人たちには感謝の気持ちでいっぱいだ。だが世界の関心は、もはや原発問題1点に絞られてきた。経済大国として日本はしばらく競争相手ではないし、取引相手でもない。世界はほかのニュースに目が移っている。世界の大勢はそう思っているのだ。

 早く未来を開かないと、原発の加害者というレッテルを張られるか否かということが注目されるだけで、世界からはしばらく忘れ去られてしまう――それが今の日本を俯瞰した現実ではないだろうか。おそらく60年あまり前の終戦後もそうだったのだろう。日本は敗戦国であり、世界からは相手にされていなかった。そこから奇跡の復活を果たしたのだ。

 ただ戦後の状況とは異なる点も少なくない。当時は先進国も限られ、新興国もいない、競う相手が少なかった。経済環境も複雑だ。最低数カ月は終わりの見えない原発問題も抱えている。世界から見れば八方塞がりで“かわいそう”なのが今の日本の姿だ。本当に海外からの支援はありがたいが、その数と量は日本が追い込まれている現状を象徴しているとも認識しなければならない。

 我々は、そうした過酷な状況から遠くない内に復活を果たし、世話になった海外の人たちにも恩返しをしなければならないのだ。

 日本が取り組むべき相手は3つあると私は思う。F(原発問題を含めた復興)とB(防災)。そしてもう1つは各々のH(本業)で頑張って、経済を回復させることだ。FBH(鉛筆の芯の硬さのようだが)----防災は専門ではないので、今回は“本業でできる復興支援と経済回復”についてお話ししていきたい。

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