• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

episode:R1 「当然想定しているはずです。そうじゃなければエンジニアじゃない」

  • 阿川 大樹

バックナンバー

2011年4月19日(火)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

「第三企画室、出動す Returns」について
2009年5月11日から2010年7月27日まで毎週掲載されていた連載小説「第三企画室、出動す ボスはテスタ・ロッサ」の前半部分が徳間文庫から「幸福な会社」と改題、発売されました。この発売を記念して、特別編「第三企画室、出動す Returns」を一カ月に渡ってお届けします。旭山隆児(あさひやまりゅうじ)、風間麻美(かざまあさみ)、楠原弘毅(くすはらこうき)の3人が帰ってきましたよ!

 楠原弘毅の携帯は<あの音>でまた鳴った。緊急地震速報だ。

画像のクリックで拡大表示

「きゃぁあああ」

 風間麻美は、悲鳴とともに楠原の視野から消えた。

「なんですか……、あ、揺れ、来ましたね」

「とっくに来てるわよ」

 風間の声は机の下から聞こえている。

「上から落ちてくるものなんて、ないですよ」

 そう言う楠原は壁に貼りついている。

「こわいよ~。わたし地震とゴキブリだけはだめなの」

 弘毅くん、と、か弱い声で手招きする風間。

「呼ばれたって行けません」

「なんだ、君だってけっこう怖がっているじゃない」

「このマンション、制震構造のはずなんですけどねえ」

「やっぱ、29階の揺れはきついなあ」

 余震の揺れが収まるとふたりはやっと落ち着いた。風間が汗をかいて貼りついた髪を気にして額に手をやる。

「テレビ、点けて」

 引越でいらなくなった14型アナログテレビ。風間が自分で持ち込んだものだ。地デジになる7月までは使える。

 画面に速報が出ていた。

 震源は福島県浜通り。震度5強。横浜は震度3だったらしい。

「またですね」

「また余震かあ。勘弁して欲しいよ、もう」

 地震からまだ3日しか経っていない。

* * *

 3月11日。

 横浜もすごく揺れた。神戸で震災を体験したはずの楠原さえ凍りつくほど揺れた。

 そのときも風間は悲鳴を挙げて机の下に潜り込んだ。

 揺れが収まってまもなく、楠原がいち早く平常心を取り戻した。

「不安なときこそ、まず事実を知ることが大事ですからね」

 気象庁のサイトは繋がりにくかった。新聞社のサイトにはまだ何もない。

「ガレージ、大丈夫ですかね」

「あ、そうだ。電話してみる」

 風間が電話をかけ始めた。茅ヶ崎のサウスガレージ・ワンが心配だ。

コメント2

「第三企画室、出動すReturns」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック