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大震災で示されたアメリカ人の善意の背後にあるものは?

「日本はもはやライバルではない」「対中外交に必要」

2011年4月20日(水)

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 東日本大震災で被害をこうむった日本に対して、アメリカが示した官民上げての同情の念、多額の義援金、精神的な支援の広がり、に驚いた日本人は少なくないのではないか。

阪神・淡路大震災の時は「1000万ドル」、今回は「2億ドル」

 とにかく、アメリカ人の反応は、あらゆる面でこれまでと異なっていた。

 大震災発生から8時間後にはオバマ大統領が特別声明を発表し、直ちに米軍の派遣を決定した。またFEMA(米連邦緊急事態管理庁)は精鋭の救援隊を被災地に急行させた。

 アメリカの市民や企業が米赤十字社を通じて日本に送った義援金は発生後18日間で2億ドル(約160億円)に上った。日本国内で集まった義援金223億円の7割に匹敵する額だ。この額は現在も増え続けている。

 こんなことは阪神・淡路大震災の時には見られなかった。当時、アメリカの市民がどのくらい義援金を出したか。米赤十字社を通じて日本に送った金額は1000万ドルだった。ちなみに、大津波がインドネシアを襲った際に集まった義援金は、当初の8日間で1億6000万ドルだった。ハイチの時は3億ドル、2001年の東部同時多発テロ事件の時には2億4000万ドルだった(非営利団体活動専門紙「The Choronicle of Philanthropy」)。これらと比較しても、今回の2億ドルは極めて多額であることが分かる。

 ハリウッドでは、ガガ、サンドラ・ブロックらがいち早く被災者に寄付をした。メジャーリーグの各チームは、開幕試合の冒頭で、大震災で亡くなった日本人に対して哀悼の意を示し、頭をたれた。

 カリフォルニア州サンディゴのマウントカーメル高校では、一人の男子生徒の呼びかけで、日本語で「頑張れ、日本。僕は君とともにいる」と書かれた横断幕を掲げた。約1000人の生徒が応援のビデオメッセージを作成して、ロスアンゼルスの日本総領事館に届けた。

 ロスアンゼルス近郊のサウス・パサデナでは、日本人の友人がいる小学校の教師とその娘さんが、市内の公園で野外チャリティコンサートを主催した。ロス近郊に住むプロのミュージシャンが駆けつけた。会場には200人近くの聴衆が集まった。コンサートの冒頭、被災者のために黙祷。その後、音楽を聞きながら、皆で折り紙で鶴を折った。小一時間の間に、目標額1000ドルを軽くオーバーする2000ドルの義援金が集まった。小学校教師と娘さんは、千羽鶴とともに義援金を米赤十字社に届けた。

 ニューヨークでは、JETプログラムで日本に滞在したことのある若者たちが集まり、義援金を募るパーティを開いた。同プログラムは、日本人学生に語学を指導する外国青年を日本に招致する事業。外務省と各都道府県が主管している。かって東北地方に滞在したことのある“卒業生”の何人かは、「支援活動に加わりたい」と日本総領事館に申し出ている。

 アメリカに住んでいる筆者にとって、身近に見るこれらの現象は、まさに想像を超えるものだ。

アメリカ人はdonationが好き

 確かに、アメリカは「義援金」(donation)の好きな国である。スーパーやドラッグストアの前など、いたるところで「乳がん撲滅のため」とか「身寄りのない子のため」と寄付を呼びかけている人たちの姿が目に付く。町の風景の一部になっている、と言っても過言ではないだろう。スーパーのレジでは、義援金を上乗せするかしないか、聞いてくる。

 義援金好きの背景には、キリスト教的互恵精神があるのだろう。貧富の差の激しい米社会において、富める者が困っている人を助けることは、当たり前の慣習として定着しているのだ。アメリカ文化の一部にすらなっている。

 となれば、今回の日本に対する同情の念も多額の義援金も、「困っている人を助けるのは当たり前」の行為の延長線上にあるのだろう。だが、果たしてそれだけなのだろうか。

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「大震災で示されたアメリカ人の善意の背後にあるものは?」の著者

高濱 賛

高濱 賛(たかはま・たとう)

在米ジャーナリスト

米政治・経済・社会情勢を日本に発信している。1969年、米カリフォルニア大学卒業、読売新聞社に入社。米特派員、総理官邸・外務省担当キャップ、デスクを経て、調査研究本部主任研究員。98年からUCバークレー校上級研究員。同年から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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