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あなたの会社のロバスト性は大丈夫ですか?

震災で再構築を迫られるBCP(上)

  • 古屋 俊輔

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2011年4月26日(火)

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 東日本大震災により、企業がどのように事業を構築し、突発事故に備えていくかが改めて見直されている。いわゆる事業継承計画(BCP)の再検討を迫られているわけだ。そこで、三菱総合研究所で、BCPを担当する古屋俊輔主席研究員に、新しいBCPの考え方を説明してもらう。

 事業継続計画(BCP)が想定すべき状況は、東日本大震災とそれに伴う福島第1原子力発電所の事故を境に大きく変化しました。

 本稿では、3月11日に発生した東日本大震災による我が国の事業環境の変化と、今後BCPの要件について解説します。

 東日本大震災以前においても、よほど危機感に欠けるケースを除いて、多くの企業はBCP、あるいはそれに相当するなんらかの危機管理計画を準備していたはずです。日本企業においては国内向けのBCPではほとんどの場合、地震、新型インフルエンザ、大規模システム障害などを想定していました。

 しかしながら、マグニチュード9クラスの地震が近海で発生し、東北から関東に至る広域でサプライチェーンが破断、津波により原子力発電所が損壊して放射性物質が拡散、それによる計画停電や数か月以上に及ぶ電力不足を想定したBCPを用意している会社は恐らくなかったでしょう。

 また、3.11以前のBCPでは、安否確認、対策本部の立ち上げ、経営判断の代行順位、設備の回復優先度などのマニュアル系の整備に重きを置いていました。一方で、生産拠点の分散やサプライチェーンの複線化など設備・調達系のロバスト化(頑健化・冗長化)には、企業は消極的でした。

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 「企業は利潤追求の効率性を競っているのであり、拠点の分散などの施策によって事業継続性が高まったとしても、それによって生産性が低下したのでは本末転倒」というのが代表的な考え方です。

数カ月にわたりサプライチェーンと電力が不足する

 今回の震災により、数カ月に渡ってサプライチェーンが回復せず、またそれ以上の長期にわたって、あらゆる生産活動に必須のインフラである電力が不足する事態が現実的に起こりえることが示されました。

 例えば、半導体生産の最終工程でポリマーを洗い落とすのに用いる過酸化水素のサプライヤーが被災し、国内の50%以上の供給が滞りました(4月下旬から一部生産再開)。

 過酸化水素が供給されないと半導体が作れない。半導体が作れないと制御回路が組めない。それでは自動車も携帯端末も作れない。液晶ディスプレイの原材料やハードディスク駆動装置の基盤、シリコンウェハー、そして我が国が技術的に世界をリードするリチウムイオン電池素材などでも同様のことが起こっています。

 サプライヤーは関西や中国地方、九州など被災していない拠点での生産増強を図っていますが、多くの品目で東北・東関東の生産停止分をカバーするには不十分です。最終製品メーカーは、海外からの代替品の調達の道を探っていますが、事業分野による程度の差はあれ、実現への道のりはかなり遠い。

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