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地域復興に欠かせない6人の存在

2011年5月11日(水)

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 東日本大震災の被害は甚大だ。それだけに地域の復興は容易いものではない。特に社会資本の整備は急がなければならない。社会資本は、人の復興、企業の復興、産業の復興に共通する基本的な土台になるからである。

 広範囲に渡るからと、部分に分けて、それぞれの最適化を個別に行なっていては、バラバラの復興になってします。部分最適の前に、「全体最適を如何に図るか」が地域復興のキー・ポイントになる。

 そのためには、どのように考えていけばいいのか。どういった人たちが関わっていかなければならないのか。地域づくり、国づくりの観点から、地域復興を論じたい。

地域を復興するためのチームとは

 復興は、チームデザインで行なうべきである。チームデザインとは、それぞれの経験と知識を相互に作用させ、1つの共通するファンクションを達成しようとする組織的な活動である。ファンクショナル・アプローチの5つの原則のうちの1つでもある。

 これまでも同じように、組織的に活動してきた。だから、あらためて謳い上げることではないと思われるかもしれない。しかし違う。では何が違うのか。それは、個々の希望の持ち寄りではないということだ。個々のファンクションを達成するための調整ではないということだ。

 言い換えれば、地域の復興はボトムアップではなく、トップダウンで行なうべきである。地位や権力のトップではない。理想のトップである。あるべき姿と言う意味のトップである。別の言い方をすれば、積み上げ方式ではなく、下位展開方式だということだ。

 まずは、私たちの未来にある「あるべき地域、あるべき社会」を考えることだ。そのためにチームデザインが重要だということである。

 今回のような未曽有の災害から復興するためには、1つの組織、1人の能力では限界がある。自分で頑張ろう、うちの組織でなんとかやろう、と考えないことだ。もっと周りを見渡して、チームを組んで行くべきだ。これまでの日本を成長させてきた経験と知識がある。それぞれに専門家がいる。皆で連携していくべきである。

 中国の思想家の墨子の言葉に『戮力協心(りくりょくきょうしん)』というのがある。力を合せ、心を1つにして調和を図ると言う意味だ。私の尊敬する経営者に教えてもらった今も大切にしている言葉だ。今こそ、1つのファンクションに向かって、一致団結するときではないだろうか。

人と企業は、30年後の子供たちのために

 人と企業とは、被災した地域の人と企業を指しているのではない。全国の人と企業を指している。これは彼岸の火事ではない。日本全体の復興なのである。

 人も企業も、自らの活動を守っていかなければならない。犠牲にしてまで、何の幸せが得られるものか。それぞれが、苦労と努力を乗り越えて、幸せを掴んでもらいたい。特に被災した地域の人や企業は、想像できない程の努力と苦労が伴うかもしれないが、必ず幸せを手にしていただきたい。

 ただひとつだけ、忘れないでいただきたいことがある。30年後の子供たちのために、少しだけ苦労と努力をして欲しいのだ。復興した直後を考えるのではなく、30年後の子供たちがその時の日本を見て、どう思うかを意識してもらいたいということだ。

 もし、人の生活や企業の営みの中で、改善できる機会があれば、改善してほしい。自分たちのためではない。30年後の子供たちのためだ。必要なものを遺し、不必要なものをなくしていってほしい。

 時には、思い切りも必要かもしれない。過去のしがらみを振りきらないといけないかもしれない。その思いと行動を、今の子供達に見せて欲しい。伝えて欲しい。きっと彼らが大人になった時、同じことをそのまた子供に伝えてくれるだろう。これが今を生きる私たち、私たちの企業のやるべきことだ。

行政官は、住みよい社会を遺すために

 行政官とは、国も地方自治体も市町村も含めた全ての職員だ。被災した地域の行政官も、被災しなかった地域の行政官も全てだ。今こそ、国づくりの底力を見せて欲しい。公共事業の社会的役割を示して欲しい。

 公共投資額は、ピーク時の1997年から比べれば50%に減っている。それでもやるべき事業はたくさんある。知っている。私も、公共事業にずっと携わってきた。あと10年もすれば、社会資本の更新費用が加速し始める。ますます新設費用に当てられなくなる。それも知っている。今回の震災を受けて、公共事業の一部の執行が留保された。もちろん知っている。

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「地域復興に欠かせない6人の存在」の著者

横田 尚哉

横田 尚哉(よこた・ひさや)

ファンクショナル・アプローチ研究所

顧客サービスを最大化させる経営改善コンサルタント。米GEの価値工学に基づく改善手法を取り入れ10年間で総額1兆円の公共事業改善に乗り出し、コスト縮減総額2000億円を実現させる。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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