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マイナスからの奮起が復興につながる

特別対談 サントリー佐治会長兼社長 × 伊集院静(上)

  • 佐藤 央明

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2011年5月2日(月)

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佐治 今回の大震災では、非常にたくさんの方が被害に遭われました。仙台にお住まいの伊集院先生も親族の方などが被害に遭われたそうですね。

 被災者の方に向けて「頑張れ」と励ます声をよく聞きます。ただ、今、被害の状況があまりに甚大なので、あんまり頑張れと言われても、ものすごくしんどい時とか、悲しいときにはなかなか頑張れないんじゃないですかね。

支援は「偽善」でもいい。汗が偽善を消す

伊集院 被災者の方の悲しみは全部色が違いますから。どういう声をかけるべきかはなかなか難しい。

 私は、被災地への支援は、最初は「偽善」でもいいと思っています。偽善でもいいから、ボランティアで被災地に行って瓦礫を運んでいるうちに汗をかくでしょう。その汗が偽善を消すんです。今はそれでもいいんだと思います。

 日本人は秩序を乱さないと海外のメディアは褒めますが、逆に「君たちがおかしいんだ」というのが私の考え。そんなことで褒められるよりも、我々が見て欲しいのは日本が復興するときの団結力、そこですよね。

佐治信忠・サントリーホールディングス会長兼社長(左)と伊集院静氏(写真:古立 康三、以下同)

佐治 そういう段階になれば、初めて「頑張れ」でしょうね。(前妻の夏目雅子さんを亡くしたばかりの頃の)伊集院先生をモデルにした『いねむり先生』を読みました。その中では色川(武大)先生も、伊集院先生の悲しみや苦しみを見て、頑張れとは言わなかった。

 被災者の方に、頑張れというのは、今はあんまり適した言葉ではないかもしれません。もっと泣きなさいとか、もっと寄り添いなさいとか、もっとこっちにおいでとか、そういう言葉が必要なんだと思います。

伊集院 震災の影響で自粛ムードも広がっていますが、僕は「自粛で花見をやめるという馬鹿なことはするんじゃない」と常々言っています。花見とか紅葉狩りというのは日本の昔からの伝統。「ああ、今年も無事に花見を迎えられた」と。そのときに必ず献杯をしているんですよ。まず献杯をして、ここまでよく生きられたと。去年はあいつと桜を見たけど、今年はあいつの分まで飲もう、という儀式なんです。

 ドンチャン騒ぎは論外ですが、亡くなられた方の魂が安らぎますようにという思いを込めて、一杯やればいいんですよ。それがお酒の持っている幅。それを今、誤解している人が自粛と言っているのかもしれない。酒は故人を思い出して飲んだり、鎮魂をしたりするもの。そういう役割を包含していなかったら、酒はこんなに長く続かないですよ。

佐治 花見だけでなく、祭りにも鎮魂の意味があるでしょう。お祭りというのは祈りですからね。個人的には、自粛しないで、お祭りこそやるべきだと思うんですけどね。

伊集院 自粛をこのまま続けて、肝心の復興の源となる経済、景気が崩れてしまったら、日本はつぶれてしまう。被災をしてない人は、今はとにかく金を使うことです。普通より少し飲むとか、遊ぶとか、楽しむとか。元気な人は消費することが、ひいては日本復興の助けになるんですから。

佐治 元気でいることに感謝して、そしてその感謝の気持ちと祈りの気持ちの中で復興のためにいろいろなことをやっていく。それは決して後ろ向きではなく、むしろ前向きなはずです。

コメント1件コメント/レビュー

できれば5月6日アップの分まで、一気に読みたかったですね。(2011/05/02)

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できれば5月6日アップの分まで、一気に読みたかったですね。(2011/05/02)

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