• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

日本人に求められる“陰徳”

特別対談 サントリー佐治会長兼社長 × 伊集院静(下)

  • 佐藤 央明

バックナンバー

2011年5月6日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

(「」から読む)

伊集院 『いねむり先生』ではギャンブルのことを書きましたが、主人公をそっと支える色川(武大)先生の麻雀とかギャンブルの結論は、攻めです。サッと間が空いたらだーっと入っていって、もうところ構わず攻める。聞いたらそれしか必勝法はないと言うわけです。いったん守りに入ったらずっと守勢で回らないといけないから、守勢からの逆転というのは300倍ぐらいの労力がいると言うんですよ。だから先行してもいいからいけと。

伊集院静(いじゅういん・しずか)氏
1950年山口県生まれ。立教大学文学部卒業。CMディレクターなどを経て、81年『皐月』で作家デビュー。92年『受け月』で直木賞受賞。今年4月に作家・色川武大氏との日々をモデルにした『いねむり先生』を上梓。仙台市在住(写真は古立 康三、以下同)

 ギャンブルに負ける人は、競馬でも、メインレースと最終レースにお金のほとんどを賭けるからね。要するに自分が納得いくまで待っていて、今日しか来ないから、これを全部使っていくかという。

 色川先生は違うんですよ。6日間あっても、いきなり1日目の3レースぐらいで、持った金半分をぼーんと入れちゃうわけ。まだじゃないですかと言っても「違う」と。そこで目が上がらないんだったら6日待っても上がらないと言うんです。この見極めは本当に難しい。

佐治 しかし、攻めるというのは大事ですね。ヒット商品でも攻めないとね。ほかの人が考えている2倍、3倍攻めるとヒット商品になる。普通に考えると、まあ、このへんで少し儲けを出したいとかなるわけです。

 そこを、そうじゃなくてここまでいくんだと言って攻めて、攻めて、攻めるから「ザ・プレミアム・モルツ」はヒットしたわけです。そういうことをやっていかないとね。

 攻めるというのはさっきのギャンブルの話じゃないけど、仕事、商売もヒット商品も攻めて、攻めて、攻めて、これでもかといかないと花は開かない。中途半端にこのぐらいでいいやと思うと、その程度のものにしかならない。

伊集院 当時は、他社も含めて軽いビールを作っていた。それをどういうわけか、佐治さんが、いや、逆に濃いのでいこうと。もともと濃い発想で始めたものだから、本物のビールをということでヨーロッパまでわざわざ行って。その時に社内ではほとんどの人間が反対したんじゃないですか。それは違いまっせというのはあったでしょうね。

佐治 そうですね、まだ当時は軽い、ドライタイプのビールの全盛だからね。こんなものは社長、売れませんよと言われました。

 だけど、うまいと思ったらその道を行く、これが男の生きる道だ、みたいなところがありました。誰が何と言っても決めたら行くんだという意思ですね。ただ、日本人はどうしても周りを見てしまいますけどね。

マイナスが日本復興の原動力に

佐治 信忠(さじ・のぶただ)氏
1945年兵庫県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。71年米カリフォルニア大学大学院修了。1974年サントリー入社。1982年サントリー取締役、常務、専務、副社長を経て、2001年3月社長就任。2002年3月から会長兼務

佐治 震災で人も会社も元気をなくしてしまっていますが、今必要なのは教育ではなく、社員のやる気ですね。当社も教育を全然やってないわけじゃないですが、ただ机の上で教えるばかりではあんまり人は育ちません。うちの長年のDNAで、祖父が言っていたのが「やってみなはれ」という言葉です。やりたい社員に手を挙げさせて、好きな仕事をしようという雰囲気にさせて、会社は楽しい、面白い、明日もまた会社で働きたい、今晩一緒に飲もうという雰囲気をどう醸成していくか。そうすると本当に元気な会社になりますよ。

 当社はそういう商売をしているというのもありますが、新入社員の頃から飲み会もものすごく盛んです。これがやっぱり1つのエネルギーなんですよね。あんまり行儀よく会社を経営してもダメですな。

コメント0

「東日本大震災」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック