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あなたは大丈夫?参加者にも覚悟を問う企業ボランティア

“現地現物”主義で調査をしたトヨタの担当者に聞く

  • 伊藤 暢人

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2011年4月27日(水)

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 東日本大震災の被災地では、復興に向けて様々な支援が広がっている。義援金や物資の供給など企業からの支援も続いている。その中で、今後、本格化するとみられるのが、企業からの災害ボランティアだ。トヨタ自動車とトヨタグループは、5月中旬からのスタートに向けて準備に入っている。そこで、トヨタ自動車で、旗振り役を務める社会貢献推進部 環境・社会活動グループ長の大洞和彦氏にその狙いなどについて聞いた。

――トヨタ自動車とトヨタグループではどのような枠組みでの企業ボランティア活動を考えているのですか。

 トヨタ自動車と関連企業など合計14社は、2003年からトヨタグループ災害ボランティアネットという組織を立ち上げています。2010年時点でのメンバーは866人で、これまでも新潟県中越沖地震や各地の水害などにボランティアを派遣してきました。

 今回は、それに豊田通商を加えた15社で災害ボランティアの送り出しを考えています。もちろんメンバー以外の参加も可能です。15社の中には、独自に支援している企業もあるので、そうした企業にはそのまま続けてもらってもいいことにしています。
 ですが、グループ全体では、現段階では次のようなプランを考えています。

 トヨタ自動車が提携しているNPO(特定非営利活動法人)の「NPO愛知ネット」が拠点を構えている岩手県住田町をベースにします。ここから、隣接する大船渡市と陸前高田市で、現地のNPOや社会福祉協議会などと協力して活動していきます。

 とはいえ、ここは、トヨタが本拠を置く愛知県から800キロメートル以上も離れています。そこで、参加者には飛行機か新幹線を利用して移動してもらい、秋田空港や仙台駅からレンタカーで現地に向かってもらうことになります。

 基本的なスケジュールは、日曜日に移動して現地で5日間活動し、土曜日に帰ってくるというパターン。1回に現地入りするのは、大体10人程度ぐらいまでを目安にしており、月に1~2組を送り出したいと思っています。5月中旬から、まず15社のボランティア活動の取りまとめ役が順番に現地に行って状況を確認し、6月にはメンバーや社員などからの参加を募るつもりです。

――準備に少し時間がかかっていますが、なぜでしょうか。

 4月中旬に現地に行き、調査と実際にボランティア活動に取り組んできました。そこで実感したのは、今回のボランティア活動は非常に難しいものになるだろうということです。被害が甚大で、いまだに1万人以上の方が行方不明という状況です。ボランティア活動も、清掃作業や片付けだけでなく、被災者の方々にそっとよりそうようなものになるかもしれないのです。

大船渡市と陸前高田市で現地調査した社会貢献推進部 環境・社会活動グループ長の大洞和彦氏

 一方で、我々は岩手の方言は話せません。とすると、被災者の方々からの「こうして欲しい」というような要望をうまく拾えないかもしれない。ボランティアというのは現地のニーズがあってはじめて成り立つものですから、現地のNPOやボランティアセンターなどにご理解いただき、ご協力いただかなければ、うまく立ち上げられないと思っています。

 また、愛知県から距離があるということもネックです。これまでの災害支援では被災地まで貸し切りバスを用意してきました。ところが、今回はバスで移動すると片道13時間以上かかるとみています。それでは、肝心のボランティア活動に影響が出てしまうでしょう。帰宅後の疲労を考えても、この方法は使いにくい。

 移動に時間がかかるうえ、ある程度の時間は現地にいなければ活動しにくいこともあり、休日に移動して、平日に5日間活動するとパターンが有力候補になっています。ですが、それに対しても、グループ各社の担当者からは「そんなに長く休めるのか」という疑問も出ています。

 また、各社で、ボランティアに対する休暇制度はまちまちでした。トヨタ自動車では制度がないので、参加者には有給休暇を取得してもらうことになります。一方、東海理化や愛三工業など4社にはボランティア制度があります。そこで、各社で、自社の制度をどのように活用していくか、対応を詰めているところです。

 我々としては、現地に行ったボランティアの自己満足に終わるようなものではなく、現地の方に喜んでもらえるものにしたいと思っています。ですから、慎重に始めて、状況に応じて微調整をしつつ、息の長い活動にしていきたいのです。

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