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アメリカの試合から迫力が消える?

ケガ防止に走る米スポーツ界の裏事情

2011年4月28日(木)

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 東日本大震災で開幕を延期していたプロ野球も4月12日にオープンし、シーズンを中断していたJリーグも先週末に公式戦を再開しました。米国でも3月31日から米メジャーリーグ(MLB)の2011年シーズンが開幕し、熱戦が繰り広げられています。

 今年は、西岡剛選手が千葉ロッテマリーンズからミネソタ・ツインズに、建山義紀選手が北海道日本ハムファイターズからテキサス・レンジャーズに移籍し、米国球界で奮闘する日本人選手は総勢15人になりました。

 ところで、現役日本人メジャーリーガー唯一の内野手で、オープン戦では3割4分5厘の高打率を残し、公式戦でも活躍が期待されていた西岡選手が開幕早々、不運に見舞われてしまいました。4月8日のヤンキース戦の守備でダブルプレーを阻止しようとしたニック・スウィシャー選手の激しいスライディングを受け、左すねの腓骨(ひこつ)を骨折してしまったのです。この一件で西岡選手は戦線離脱を余儀なくされ、15日間の故障者リストに登録されました。ニュースをご記憶の方も多いかと思います。

 「故障者リスト」はニュースなどでよく耳にする言葉ですが、怪我や疾病のために試合出場が困難と診断された選手を一時的に登録するリストのことです。怪我をした選手のメジャー登録状態を維持したまま一軍登録選手枠を空け、代わりの選手をマイナーリーグなどから補充することができるというシステムです。

 試合中の怪我はいわゆる「公傷」扱いになるため、入院などで戦列を離れている期間もメジャー登録期間としてカウントされることになります。MLBでは年俸調停権取得に3年、フリーエージェント権獲得に6年のメジャー登録が必要となりますから(メジャー登録日数が172日で1年とされる)、非常に合理的な制度だと言えます。

 あまり大きく報じられませんでしたが、MLBは従来まで15日間と60日間の2種類あった故障者リストに、今シーズンから7日間のものを追加しました。野球はフットボールやアイスホッケーのように、直接体をぶつけ合う機会が多いスポーツではありませんが、時として西岡選手が受けた併殺封じのスライディングや、本塁突入時の走者と捕手の激突のように100キロを超す巨漢同士が交錯するケースもみられます。

 7日間の故障者リストはこうした激しいプレーで脳震盪を受けた選手の健康状態に配慮するとともに、それに伴って別の怪我をしてしまう事態を回避するために設置されたものです。というのも、故障者リストに登録されるとその期間が満了するまで復帰できないため、脳震盪のような一見軽度に思えるような怪我で15日間戦列を離れることを嫌い、強行出場に踏み切るケースが少なくないためです。

 「知られざるマイナーリーグの人材育成システム」でも解説しましたが、MLB球団では9つのポジション、40人の1軍枠を巡り、300人近い選手が熾烈な生き残り競争を繰り広げています。脳震盪を押して試合に出場し続ければ、より大きな怪我をするリスクは更に高まりますが、かと言って虎視眈々と活躍の機会をうかがうライバルの前で自分のポジションをおいそれと明け渡してしまうわけにもいきません。15日間も現場から離れれば、試合感覚も鈍るでしょう。7日間の故障者リストが新設された背景には、このような事情がありました。

コメント3件コメント/レビュー

頭部への打撃で、脳に致命的な衝撃を与える可能性のあるプロボクシングは、早晩大幅なルール改正(頭部への打撃禁止等)を行うか、禁止スポーツとなるかのどちらかでしょう。(2011/04/28)

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「アメリカの試合から迫力が消える?」の著者

鈴木 友也

鈴木 友也(すずき・ともや)

トランスインサイト代表

ニューヨークに拠点を置くスポーツマーケティング会社、「トランスインサイト」代表。一橋大学法学部卒、アンダーセン・コンサルティング(現アクセンチュア)出身。スポーツ経営学修士。中央大学非常勤講師

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

頭部への打撃で、脳に致命的な衝撃を与える可能性のあるプロボクシングは、早晩大幅なルール改正(頭部への打撃禁止等)を行うか、禁止スポーツとなるかのどちらかでしょう。(2011/04/28)

あのスライドは,ビデオを見る限り,選手を狙った,悪質なもののように感じた.スライドして行く方向が,野手の方向であり,ベースではなかったので.そういうスライドをしてくる可能性がある,といことを知らなかった西村選手が不幸だったのではないだろうか.USでは,野球は格闘技であって,スポーツマンシップにのっとり,などときれい事を言っているものではない,ということ.平和な日本の野球とは違う,ということではないか.(2011/04/28)

西岡選手の負傷したプレーを見ましたが、ベースでなく、脚を狙っていることが明らかで、併殺封じを狙う以上の悪意を感じるプレーでした。以前にもスライディングにやられた日本人選手がいたように思います。日本ではこうしたプレーは褒められないでしょうからあまりやりませんよね。日本人プレーヤーがタックルに慣れていないのも致し方ないのかもしれませんが、向こうの選手はそれ前提でやっているのでしょう。ジャンピングスローでタックルを回避するのは、メジャーでは良く見かけますから、日本人選手も身につけて欲しいと思います。ジャンプして避けた上で、軽く「踏んづけてやる!」くらいの事をしてなめられないようにするのも必要かと思いました。MLBでも、NFLにしろ、NHLにしても、プロのエリート選手なのですから、スマートでクリーンな「ラフプレー」を気持よく見せて欲しいものだと思います。(2011/04/28)

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