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プロジェクトマネジメント実践の要諦 前編(方法論)

第10ステップ:実行のための10のポイント

  • 今北 純一

バックナンバー

2011年5月10日(火)

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 前回まで9回にわたってお話ししてきた「プロジェクトマネジメント実践講座」を締めくくるにあたって、「プロジェクトマネジメント実践の要諦」を付記しておきたいと思います。前編では実践に適用すべき方法論、後編では実践のための心得をまとめました。

Point 1

少数精鋭部隊は「やる気」で選ぶ

 新たに立ち上げるプロジェクトのチームメンバーを選ぶ時、往々にしていわゆる社内のエリートを集めがちです。しかし、まず何よりも、学歴やキャリアパスにとらわれず、やる気にあふれた、そして秘めたパッションで目の輝いている人を見極めてほしいと思います。このことについては第1回「エリート部隊より、やる気とポテンシャルのある人材で混成部隊を作れ」でも述べていますので、参考にしてください。

 それから、集まったメンバーのモチベーションを維持するためには、「信賞必罰」も大切です。日本にはまだ、悪平等主義が根強く浸透した企業もありますが、成果を生み出すことに貢献したメンバーには言葉でねぎらうだけでなく、それを、人事考課や報酬の査定に反映させること。

 逆に、プロジェクトの戦力にならなかった、あるいはマイナスの効果しかもたらさなかったと思われるメンバーには、プロジェクトのリーダーがそのメンバーと対峙して、なぜそのプロジェクトには向いていないのか、理由をきちんと明らかにしたうえで、辞めてもらうことを伝える。できれば避けて通りたいと思うほうが普通ですが、こうしたある意味憎まれ役を引き受けるだけの勇気を持つことも、プロジェクトマネジメントのリーダーに求められる資質です。

Point 2

目標と志を共有する

 プロジェクトの規模やメンバーの人数に関わらず、チームが一体感を持つことが必須です。そのためには、モチベーションとなる目標を明確にすることが重要です。何のために努力を重ね、仕事を積み上げてどこへ向かうのか、そして何を達成するのか。そうしたことを念頭に置き、時間軸をビルトインした上で行動計画(アクションプラン)をメンバー全員で共有することから、プロジェクトマネジメントは始まります。

 私は人間の成長には「MVP」が必要だと考えていますが、これはプロジェクトマネジメントにも通じます。Mはミッションで挑戦すべき夢と目標、Vはビジョンで、スタート地点から目標に至るまでの具体的な道筋、Pはパッションで目標や夢に向かって燃やす情熱です。そして、プロジェクトマネジメントにおいてバックボーンとなるのが、このミッションなのです。

Point 3

ロードマップをデザインする

 ミッションを定めたら、そのミッションを実現するための道筋、つまりMVPのビジョンを考えます。プロジェクトを1つの山とみなすと、ふもとから山頂=ミッションを目指すためには、そこへ到達するためのロードマップが必要です。山へ登る道筋は1つだけではありませんから、様々なロードマップが考えられます。

 例えば、自分の足を使って登るとしましょう。ただ、自分で歩くにしても山道に詳しいシェルパのような案内人が必要になるかもしれないし、登りきる体力や持久力に未知の部分があれば装備を見直す必要があるかもしれない。あるいは、歩きではなく、スピード勝負での山頂制覇を求められれば、ヘリコプターで一気に山頂まで飛ぶというオプションもあるでしょう。これはビジネスではM&Aにあたります。また、このヘリコプターですが、行く先を見極めないと目指した山頂とは別のところに着地しかねませんし、行く先を間違わなくとも途中で失速したり、墜落したりする可能性もある。こうした様々なケースを事前に精査してからロードマップをデザインすることが、所期どおりの山頂に到達するための最適な登り方の見つけ方につながるのです。

Point 4

ビジネスモデルを設計する

 最近、「ビジネスモデル」「事業モデル」といった言葉が日常的に使われますが、ビジネスモデルの本質は具体的に「絵」に描けなければいけないものです。新しいビジネスモデルについてのアイデアを何となく思いついた、といったことがある度に、実際にそのアイデアを絵に描いてみるといいでしょう。描けないものは、ビジネスモデルとしては成り立ちません。

 また、ビジネスモデルは、企業のミッションに則した独自のものであることも大切です。でも、実際には、ここまで落とし込めている企業は少ないのが現状です。会社の名前を取り替えるだけで、A社でもB社でもC社にもそのまま通用するようなミッションではなく、特定の企業にピタッとあてはまるミッションをベースにしたビジネスモデルというものを、設計してほしいと思います。

 そして新しいビジネスモデルを設計する際には、第6回「顧客の『二重構造』を打ち破れ」でお話した、「顕在需要」「潜在需要」、そして「絶対重要」をターゲットとすることも重要です。

Point 5

「量と質」から「新しい価値」へのパラダイム・シフト

 第7回「量と質の訴求から『新しい価値』を訴求するビジネスモデルへの転換を」でも述べましたが、“モノづくり大国”と呼ばれる日本は、モノを製造することは得意です。そして、これまではその優れた技術と品質をてこにして、量と質を訴求したモノづくりを経済成長のエンジンとしてきました。しかし、量と質を追うビジネスが過当競争の様相を示し始めた今の時代に必要なことは、「新しい価値の創造」を新たなる成長エンジンにすることです。このための方法として考えられるのは、あるモノと別のモノとを組み合わせてこれにソリューションを付加することにより、新しい価値を生み出すビジネスモデルを設計し、実践することです。このためには、これまでのモノづくり偏重のマインドから脱却し、真の意味でのソリューションを構想するマインドへの転換が必須になります。

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