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原発ソフトランディングへのシナリオを示せ

正しく怖がる放射能【5】

2011年5月10日(火)

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 5月6日、菅直人総理大臣は静岡県御前崎市の浜岡原子力発電所の全面停止に向けて、経済産業大臣を通じて中部電力に要請を行った、と記者会見しました。(追記 9日の臨時取締役会で中部電力はこの要請を基本的に受け入れる方針を打ち出したとのことです)。

 浜岡原発は「30年以内にマグニチュード8程度の想定東海地震が発生する可能性は87%と極めて切迫」していると考えられる立地に建てられており、今回の福島第一原発事故を踏まえて防波壁設置など津波対策強化の必要性を指摘、現在浜岡と海とを隔てている高さ約10メートルほどの砂丘では不十分との政治判断を下したものです。

 菅総理は「国民の安全と安心を考」え「重大な事故が発生した場合の日本社会全体の甚大な影響もあわせて考慮」したとしています。

 また総理は電力会社への原発運転・停止の「指示、命令という形は現在の法律制度では決まっていない。中電に理解してもらえるよう説得していきたい」とのべ、中部電力も受け容れる方向での検討と報じられています。

 浜岡原発は1、2号機が既に運転を終了、廃炉の見込みで、現在は4、5号機が稼働しています。点検のため停止中の3号機は、東日本大震災の影響で運転の再開を延期していました。原子力安全保安院は、防波堤の増強など浜岡原発の災害対策強化には2~3年程度の時間がかかるとの見通しを示しました。

 この問題を巡っては、さまざまなご意見があると思います。また先行き不透明な部分も多く、ご質問などございましたら私のTwitter上でもお答え出来るものがあるかと思います。

「地元に相談すべき問題」なのか

 浜岡原発の地元である静岡県御前崎市では、予想されたことながら、この突然の発表に強い難色を示しています。

 「事前に地元に何の相談もなかった」という声が、客観報道という立場なのでしょう、各種メディアから伝えられて来ますが、さて、この問題は「地元と相談」するような種類の問題なのでしょうか。

 ここを指摘する見解をほとんど見ないような気がしました。

 もちろん地元の「事情」や「気持ち」は分かるのです。市の財政のおよそ4割を原発関連の交付金に頼っている、市内には原発就労者がおよそ3000人いるなどなど、関係者にとって死活問題になっている、それは報じられる通りに理解しています。

 しかし、というより、だからこそ、地元に相談してもこう着状態に陥るだけの問題であるのもまた、明らかでしょう。

 さらに問題は、地元がそれで食べて行くというような話ではなく、いったん原発事故が起きてしまえば、周辺市町村の農業はじめ全産業に重大な危機が訪れ、半径50~80キロ圏内は立ち入ることも難しい状況が懸念され・・・、どころか、放射性物質汚染で必ず国際問題になるのがわかっている問題で、その安全性を検討、あるいは適切に判断を下し、指示してゆくのは、国として責任を持つべき案件、交付金を出している先の地元に相談する、という性質の問題ではないと言わざるを得ません。

 全国各地に存在する「原発城下町」と呼ばれる地域では「原発推進派」という言葉が意味を持たないほど、地域の産業に原子力発電所が重要な役割を担ってきた、その事実は事実でしょう。しかし同時に、交付金などの財源に依存して、それ以上の地域活性化、もっと言えばリスクを分散し、仮に原発が停止しても町が立ってゆけるような自助努力を、どのように行ってきたのか。

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