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プロジェクトマネジメント実践の要諦 後編(心得編)

最終回: 成功に導くための10のポイント

  • 今北 純一

バックナンバー

2011年5月24日(火)

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 「プロジェクトマネジメント実践の要諦」前編(方法論編)に続き、後編では、実践の準備のための心得をまとめました。

Point 1

「知的腕力」をつける

 プロジェクトマネジメントを成功に導くためには、「スキル」と「コンピテンシー」を併せ持つ「知的腕力」を身につけることが必須です。スキルはテクニック、コンピテンシーは人間総合力と言えますが、両者は混同されることがよくあります。例えば、コミュニケーション能力はコンピテンシーの1つで、実践を通して磨かれるものです。これをスキルと混同して、プレゼンテーションのテクニックだけを身につけても力にはなりません。重要なのは、実践の積み重ねと継続的な自己鍛錬です。

 詳しくは、船川淳志氏との共著で『世界で戦う知的腕力を手に入れる』にまとめていますので、参考にしていただきたいと思います。

Point 2

読む・書く・聞く・話すの基本能力を高める

 プロジェクトマネジメントに限らずビジネスにおいては、様々な場面で「読む・書く・聞く・話す」が必須になります。しかし、第4回「ITの時代こそ、対面コミュニケーションを重視せよ」でもお話ししましたが、こうした基本的なことでさえ、きちんとできる人が少なくなってきています。日本人同士の日本語でのコミュニケーションもままならないところへもってきて、いきなり英語公用語化の動きが加速していることについての考察は、第3回「英語公用語化=グローバル化という図式について」でお伝えしました。英語の公用語化が空回りしないためには、日本語での「読む・書く・聞く・話す」の基本能力を高めることが先決でしょう。

Point 3

貧乏クジを引いたらチャンス

 30年以上におよぶグローバルビジネスの最前線での実体験に基づいた話をすれば、「どうして自分がこんな貧乏クジを引かなければならないのか」と自らの不運を嘆いたことが何度となくありました。プロジェクトと一口に言っても、誰もがぜひとも参画したい、あるいはリーダーとしてマネジメントしてみたいと思えるものと、誰からも「うまくいきっこない」とか「あれはコケるだろう」と見られているものがあるというのは、みなさんもご存知でしょう。

 私自身に関していえば、後者のカテゴリーに入るようなプロジェクトを任されたことが1度や2度ではありません。その度に、「何も自分にお鉢が回ってこなくても良さそうなものなのに」と割り切れない気持ちを抱きつつも、これも運命と考え直し、やれるだけのことは本気で取り組む、ということを続けてきました。あとから振り返ってみれば、この継続的な努力が運を引き寄せたということになるかもしれませんが、当初どう考えても目標をクリアーすることは無理だと思えたプロジェクトでも、気がついたら結果を出すことができた、という充実感を手にする幸運に恵まれました。  

 “おいしそうな”プロジェクトには、多くの人が手を出したくなるものですが、“まずそうな”プロジェクトには、誰も手を出したがりません。でも、“まずそうな”プロジェクトには人が近づいてこない分、マネジメントを実践する上での自由度は高い。そのため、努力次第で、様々なチャレンジもできるものです。「貧乏クジを引いた」と落胆した時こそ、これをチャンスととらえ、本気で取り組んでみてほしいと思います。

Point 4

敵前逃亡はしない、させない

 貧乏クジを引いてしまった時、壁にぶつかってしまった時などには、つい弱音を吐いたり、言い訳をしたくなったりするものです。私もこれまでに一度だけ、言い訳をしたことがありました。社命でプロジェクトの責任者に任じられたビジネスプランがあまりに現実離れしていて、どんなに努力しても目標値に到達するのは絶対に無理だと思えた時です。

 頃合いを見計らって、CEOにビジネスプランの厳しさを伝えると、彼はこう即答しました。「いったん引き受けた以上は、すべてあなたの責任でしょう」。私は痛いところを突かれたと思いました。確かに、このプロジェクトの責任者に任命された時、断ればクビという強迫観念から無条件に承諾したのは他ならぬ自分です。このことをCEOは私にリマインドしたのです。厳しいようでもやはり、言い訳は通用しません。引き受けた以上、敵前逃亡はしてはいけないし、もし、自分が逆の立場であったら相手を敵前逃亡させてもいけない。この一件を経験してから、「敵前逃亡はしない、させない」は私の信条となっています。

Point 5

信用する勇気を持つ

 プロジェクトチームを自分の眼力で選抜したら、それぞれのメンバーを信用してください。“Nobody is perfect.”と言うように、私自身も含めて世の中に完璧な人間など存在しません。それでも、人の欠点やダメな部分に目がいってしまう、あら探しをしてしまう人は少なくありません。このような振る舞いをする人は、自分に自信がないか、さもなくばエゴイストです。人のあら探しをするのではなく、各人のいいところを引き出す器量が、プロジェクトチームのリーダーに必須の資質です。

 また、社内だけでなく、社外でパートナーシップを組む時にも、相手を信用する勇気が必要です。場合によっては、社外秘ぎりぎりのような情報を相手に伝達しなければならない場面も出てきます。その際に、相手に対しての猜疑心があれば重要な情報をタイムリーに伝えることができず、従って適切なアドバイスももらえないまま、プロジェクトのクリティカルなハードルをクリアーできなくなる場合もあります。これはとても難しい問題ですが、相手が信用に足る人かどうかを見極めるという意味での“人の目利き”になることが、プロジェクトマネジメントの実践においては不可欠な能力です。

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