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明確なリーダーシップが企業を導く

リーダーの真価が問われるとき

  • 小屋 知幸

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2011年5月18日(水)

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 東日本大震災は、わが国に大きな爪痕を残した。地震と津波、さらに原発事故がもたらした被害はあまりにも大きく、依然として被災地の状況は厳しい。それでも「強い現場」を持つ強い企業は、くじけず危機に立ち向かおうとしている。この点については前回のコラム「第1回 非常時に“現場”が見せた底力」で述べた。

 企業を前に進ませているのは「現場力」だけではない。組織が一致団結して難局に立ち向かうためには、トップマネジメントのリーダーシップが不可欠だ。今回の震災への対応を見ても、強い企業のトップマネジメントは明確なリーダーシップで企業を導いている。未曽有の危機に直面し、今ほど経営者のリーダーシップの真価が問われるときはないだろう。

最も大切なことは何か

 非常時の組織は大きな混乱に陥りがちだ。従業員の脳裏にはさまざまな感情が押し寄せ、思いは千々に乱れる。「何とか被災者を助けたい」という思いは当然あるだろう。また「自分の担当業務も大幅に混乱した。それを何とかしなければならない」という思いもある。あるいは「これでは会社の利益が吹き飛んでしまう」とか「納期を守れなければ顧客に迷惑をかける」という危機感もあるはずだ。場合によっては「この機に乗じてライバル企業からシェアを奪ってやろう」とか「社内で影響力を高めるチャンスだ」というような“邪心”を持つ人もいるかもしれない。

 いずれにしても、危機に際して企業がやるべきことはたくさんある。この時のリーダーの役割は「最も大切なことは何か」を示すことである。ここでトップの姿勢がぶれてしまったら、社内の求心力は失われ、企業は一致団結できなくなってしまう。

 今回の震災対応でも強いリーダーシップを持つ経営者は、「最も大切なこと」を明確に示している。例えばコマツの野路國夫社長は社員に向けて「最も大切なことは被災地である東北、北関東の復旧に不可欠な建設機械をつくり迅速に届けることです。災害の復旧、復興支援が売り上げや利益に優先します」と文書で示した。

 現在コマツは新興国需要で繁忙を極めている。震災対応に多くの経営資源を投入すれば他の業務にしわ寄せが及ぶことは必至だ。だがトップの明確な姿勢により、全社が復興支援に最優先で取り組むことが明確になった。

 日産自動車のカルロス・ゴーン社長は、被災したいわき工場で「あらゆる手段を通じて復興に尽くす。日産の将来のために日本の事業を守り、発展させる」と明言した。またイオンの岡田元也社長は「生活必需品を提供することが、我々の社会的責任だ」と表明し、被災地の生活インフラを復旧させるための強い意志を示した。さらに、イケア・ジャパンのミカエル・パルムクイストCEOは被災地への救援物資提供に関して、「在庫がなくなってもいいから物資を届けろ」と指示し、被災地の救援が最優先であることを明確にした。

リーダーの役割は最初に大きな方針を示すこと

 トップが強いリーダーシップを持つ企業は、非常時でも秩序だって行動できる。例えば日本マクドナルドホールディングスの原田泳幸CEOは今回の震災への対応に際し、社内に「P(パースン)→S(ソーシャル)→B(ビジネス)」という対応方針を示した。日本マクドナルドは企業活動の優先順位として、第1に顧客と従業員の安全確保に全力を注いだ。次に節電や義援金の募集など企業の社会的責任の遂行に力を注ぎ、その次にビジネス機能の回復を図った。

 「パースン」も「ソーシャル」も「ビジネス」も、企業にとっては間違いなく重要だ。だがすべてを一度にやろうとすれば、非常時の混乱に拍車をかけることになりかねない。難局に当たり明確な方針を示すことは、リーダーの最も重要な役割と言ってよいであろう。

 また震災直後にローソンの新浪剛史社長が社内に出した指示も、企業の方向性を示す明解なものだった。新浪社長は「いくらコストをかけてもかまわない。被災地への支援と事業の復旧、両方ともやる」と宣言し、被災地への支援と事業の復旧に最優先で取り組むことを明確にした。また福島第1原発近隣地域の営業を再開する時には、首都圏店舗への商品供給を犠牲にしてでも福島に商品を回すよう指示した。

強いリーダーは現場と連帯する

 非常時におけるトップの役割は、大きな方針を示すことだけではない。社内が一致団結するためには、現場に対する連帯を示すことも重要だ。

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