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第30話「競争原理を排除している日本では、電力は安くなることはない」

2011年5月18日(水)

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前回までのあらすじ

 シンガポールのMTCラボに赴任した沢口萌は、MTCのCFO、細谷真理と一緒に、原価計算システムの構築に奔走していた。

 MTCの主力製品である「K01」は自動車メーカーからひっぱりだこで、大量の受注残を抱えていた。しかし、電気自動車の電池の技術は日進月歩で変わり、K01の製品としての寿命は、当初の予定よりずっと早くなる気配だった。

 豊橋で会計事務所を営む会計士の西郷幸太は、達也とは旧知の仲で、かつて、2人でジェピーで行われていた不正会計をあばき、当時の経営陣を追い込んだことがあった。

西郷の自宅

 西郷は朝起きると、郵便受けの新聞を取りに行き、丹念に記事を読むのが日課になっている。この日も、バターをたっぷり塗ったトーストを食べながら、紙面を追った。未だに先の見えない原発事故の記事を一通り読み終えた時だった。見慣れない文字が西郷の目に飛び込んできた。

 粉飾アレンジャーだ。
 この呼称が表舞台に登場したのは、FMS社の倒産がきっかけだった。その会社は医療品等開発支援、駐在薬局、アンチエイジング事業を手がけ急成長したものの、2005年8月に株式公開してわずか3年で経営破綻した。FMS社の不正経理を指南していたのが、粉飾アレンジャーだった。新聞にはこう書かれていた。

 「急成長を装い投資家を欺いた粉飾決算の背後では税務・会計に精通した粉飾アレンジャー(市場関係者)が暗躍していた」

 しかも、このようにプロに不正経理を依頼する例は増えているという。

 粉飾そのものが卑劣で、なんのメリットもない行為であることは言うまでもない。だが延命目的の粉飾は後を絶たないのが現実だ。そこに目を付けたのが粉飾アレンジャーだ。そもそも粉飾決算を組むことくらい、簿記を2、3年学べば誰でも簡単にできる。それをしないことが、社会的存在としての会社の当然の義務なのだ。

 西郷は、この記事を読んでいるうちに興味が湧いてきた。粉飾のプロを名乗る以上、さぞかし巧妙な手を使ったのだろうと考えたのだ。

 さっそくEDINETから有価証券報告書をダウンロードした。そして、株式を公開した05年8月から倒産直前期の08年5月までの数字を追った。

「熱血!会計物語 ~社長、団達也が行くseason2」のバックナンバー

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「第30話「競争原理を排除している日本では、電力は安くなることはない」」の著者

林 總

林 總(はやし・あつむ)

公認会計士

外資系会計事務所、監査法人勤務を経て開業。国内外でビジネスコンサル、管理会計システム導入コンサルのほか、大学で実践管理会計の講義を行っている。また管理会計の草の根活動として、団達也会を主宰。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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