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パナソニック、インドのパパママ店組織化の勝算は?

広大な国で販売網を作る難しさ

  • 中村 真司

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2011年5月20日(金)

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 インドの国土は約330万平方キロメートルで、日本の約9倍である。中国と同様に、このような広大な国を攻略するためには、消費者ニーズに合った製品を開発、投入するだけでは事足りない。地方都市や農村地域を含め、ターゲットとする消費者層を明確にしなければならない。

 広い国土を効率的にカバーするのか、あるいは展開エリアを絞り込むのか――。そういったエリア戦略、チャネル戦略が描けていなければ、インド進出は徒労に終わることになる。

 コラムの1回目で紹介したゴドレジ・アプライアンスが、2010年3月に予定していた簡易冷蔵庫「chotuKool(ちょっと冷える)」の発売を、チャネル戦略の再検討が必要なことを理由にいったん延期している。地場企業ですら迷っている…。それだけ、インドにおけるエリア戦略・チャネル戦略は重要であり、一筋縄ではいかないのである。

 エリア戦略とチャネル戦略を考える際に、重要となる3つの問いがある。

1.どこを(誰を)攻めるのか?
2.どのように(誰と)攻めるか?
3.どのような組織能力を構築するか?

パナソニック電工の買収の狙いとは

 2009年にインド最大の電設資材メーカーであるアンカー・エレクトリカルズを完全子会社化したパナソニック電工のケースで考察していこうと思う。パナソニック電工の執行役員であり、アンカー・エレクトリカルズの会長でもある有井利英氏にアンカー買収の目的や今後の戦略を聞いた。

 「メーカーが一定規模の事業をインドで構築するためには、中間所得層をターゲットに、現地の生活習慣を徹底的に研究することが必要だ。そこから得られたニーズを基にボリュームゾーンを狙った製品を作り上げ、勝負するしかない。市場が形成されてから参入するなら、オーバーキャパシティになるぐらいの投資を行っていく覚悟が必要である」

 ここにはいくつかの重要なポイントがある。まず、ターゲットとする消費者については、本コラムの第2回で書いた「中間層をターゲットにする」ことが絶対条件だという点である。そのためには、現地での生産を前提として、先行投資をする覚悟を決めた上で参入しなければならない。

 マルチスズキやヒンダスタン・ユニリーバの例を見るまでもなく、インドなどの新興国における先行者利益は大きい。市場を自ら創出する覚悟で投資を続けることによって、大きな利益が得られる。投資については、生産設備だけではなく、流通チャネルとしてのネットワークも同様である。

 これまで多くの日本企業は、インドへの投資を躊躇したり、後回しにしてきた。前回取り上げたトヨタもそうだった。根底には、「市場ができてから投資をしたい」という思いがあったろう。あるいは、「市場が大きくなってから投資をしても間に合う」という油断があったのではないか。だが、ブランド構築も含め、先行者利益を得るためには、市場が立ち上がる初期段階から、腰を据えた投資を意思決定しなければならない。

 だが、日本企業はここで諦めてはいけない。中間層をターゲットにすれば、すでにインド市場で先行するライバルがいたとしても、手遅れとは言えない。

 これまでは、ムンバイやデリーと言った大都市をまず攻略して、次に他の主要都市、そして徐々に地方に出ていくという戦略が一般的だった。しかし、今後の戦略として、地方都市や農村地域から攻めていくという戦略も十分に考えられる。ムンバイやデリーと言った大都市、その他の主要都市で販売するのと、農村地域で販売をするのでは、手法が全く異なるため、大都市圏を捨てて、地方都市や農村地域でのプレゼンスを早い段階で獲得する、という戦略もあり得るのである。

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