原発事故による放射能漏れの風評被害から、欧州でも日本料理店への客足が遠のいていると聞く。ただ、「コアの人たちが来ないわけじゃないから、時が経てば、また人は自然と戻ると思うよ」という人は多い。キッコーマンにうかがったら、「醤油は日本食というより、土地に馴染んだ調味料と考えている人も多い。風評被害の影響はさほどありません」とコーポレートコミュニケーション部の伊東宏氏。とても心強い。長年培ってきた商材はさすがに違う。
今回から、食に関する話題を3回連続で掲載する。「ローカリゼーションマップ」では「『マルちゃんする』とメキシコで独自解釈されたカップ麺」において、カップ麺が海外でどのように広まったのか紹介した。日本食の受け止められ方というテーマでいうと、本特集はその続編になる。食を題材にすると異文化のあり方への理解が早い。日常的に様々な食を口にするので、舌は広い範囲の経験を積みやすいからだろう。
1回目はキッコーマンの醤油だ。
「醤油は日本食とセット」ではない
世界では寿司ブームが起きているといわれる。そこで、さぞ醤油メーカーは儲かってウハウハだろうと想像する。しかし、キッコーマンからは予想とは違った反応が返ってきた。
「まず、当社では醤油と日本食はセットでビジネスをしていません。海苔、米、みりん、酒など寿司店をオープンするのに必要な食材が全て揃っているJFCという日本食品卸の別会社があり、日本食ブームは確かにJFCにとっては嬉しい状況だと思います。でも、醤油販売については、話を分けて考えないといけません」

執行役員海外事業部長・小澤隆氏はそう解説する。キッコーマンにとって、醤油は日本食ではないという。社内で醤油は「グローバルスタンダード商品」と呼ばれる。どこの国でも、同じ表情をして入り込むユニバーサルなカテゴリーに入る調味料ということだ。したがって、「寿司に代表される日本食のブームによって、醤油を使ってもらう機会が増えるので、味を知ってもらうことはできる。そういう意味で、販売の追い風になることは確かです」(小澤氏)。
グローバルスタンダード商品としての醤油は、「肉に合う調味料」ということが基本となる。日本食専用の調味料ではなく、各国の料理、特に肉料理にどううまくマッチするか、がテーマになる。米国ではバーベキューの頻度が高く、ここにどう取り入るかが進出の決め手の1つになる。スカンディナビア諸国やオーストラリアといった国々もバーベキューを好む。
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1958年横浜市出身。上智大学文学部仏文科卒業。日本の自動車メーカーに勤務後、イタリアでビジネスプランナーとして独立。現在、ミラノ在住。デザイン、食品、文化論などを活動領域とする。著書に『
1965年東京出身。デザイナー、デザインディレクター。桑沢デザイン研究所卒業後、建築設計と工業デザインを手掛ける黒川雅之建築設計事務所に入社。プロダクトデザインを担当し10年目に退社後、1997年テツタロウデザイン開設。文具、日用雑貨から住宅設備機器などのデザイン、中小企業へのデザインディレクションも行う。社団法人日本インダストリアルデザイナー協会正会員。日本大学芸術学部デザイン学科非常勤講師。Twitterは







