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第31話「電力業界も仕事を分ければ電気料は下がる、ということですね」

2011年5月25日(水)

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前回までのあらすじ

 シンガポールのMTCラボに赴任した沢口萌は、MTCのCFO、細谷真理と一緒に、原価計算システムの構築に奔走していた。

 MTCの主力製品である「K01」は自動車メーカーからひっぱりだこで、大量の受注残を抱えていた。しかし、電気自動車の電池の技術は日進月歩で変わり、K01の製品としての寿命は、当初の予定よりずっと早くなる気配だった。

 萌はシンガポールでの仕事にも慣れ、現地でのコミュニケーションにも不自由しなくなっていた。

 そんな時、萌はシンガポールの電気料金の安さに気づいた。

シンガポール

 「電力のことなんて、何も考えていなかった」

 萌は自分に愛想を尽かした。日本にいた頃は、スーパーに行けば1円でも安い買い物を心掛けていたのに、こと電力料金に関しては電力会社から請求されるままに支払ってきたからだ。

 「独占体制と総括原価主義ですね」
 萌がキーワードを口にすると達也はこう続けた。

 「問題はね、総括原価の範囲なんだ」
 萌と真理は思わず身を乗り出した。

 「発電にかかる費用ではないんですか」
 真理が聞いた。

 「日本の電力会社は発電も送電も電力販売している。これらにかかるすべての費用を総括原価として、電力料に転嫁しているんだ」

 と言って、達也は電力会社をビール会社に置き換えて説明を始めた。

 「ビールの製造だけでなく、小麦やホップの栽培から、ビール製造、できたビールの輸送、代金の回収まで行っている会社を考えてみよう。何から何まで一社で行うから、膨大な資金と手間がかかるし、人や設備の作業効率も悪い。当然、コスト高になる。にもかかわらず存続できるのは、電気事業法の総括原価主義で守られているからだ。一般の事業会社ならこんなビジネスは成り立たないよね。どこのビール会社も製造に徹して、原料の栽培、物流、販売は別の会社で行っている。しかもこうすることで、業者間で競争が働くから、否応なしにコストは下がる」

 萌は、達也の言わんとしていることが次第に分かってきた。

「熱血!会計物語 ~社長、団達也が行くseason2」のバックナンバー

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「第31話「電力業界も仕事を分ければ電気料は下がる、ということですね」」の著者

林 總

林 總(はやし・あつむ)

公認会計士

外資系会計事務所、監査法人勤務を経て開業。国内外でビジネスコンサル、管理会計システム導入コンサルのほか、大学で実践管理会計の講義を行っている。また管理会計の草の根活動として、団達也会を主宰。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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中村 克己 元ルノー副社長、前カルソニックカンセイ会長