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未曾有の大惨事を米メディアはどう報道しているのか?

「トリプル惨事」は他人事ではない

2011年6月2日(木)

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大惨事発生直後の米メディアの初動は鈍かった

 東北・関東を襲った大地震・津波発生から約2カ月半、米メディアはこの「トリプル惨事」(Triple disaster=地震・津波・放射能漏れ)をあらゆる角度から追っている。日本を舞台にして米国のメディアがこれほど人とカネを使って報道するのは何年ぶりのことだろうか。

 当初は、3つの惨事が同時に日本を襲った「ショックと驚き」が米国報道の大半を占めた。しばらくするとメディアの視点は、被災者たちの冷静さに移った。被災者を賞賛する記事が相次いだ。数日後には、米メディアは、福島第1原発における放射能漏れをめぐる日本政府・東京電力の対応に厳しい目を向け始めた。

 そして今、米メディアは「日本の危機」へと視点を変えている。放射能漏れを、「日本だけ」の問題ではなく、「世界に突きつけられた人類への挑戦」だと認識するようになった。

 米メディアの報道ぶりを時系列的に追ってみよう。

 東北・北関東を襲った地震と津波による惨事の映像が米国人の茶の間に入り出したのは米東部時間の11日午前0時46分ごろ。

 ニュースを24時間放送し続ける専門テレビ局は、まるで聖書の黙示録を再現するようなショッキングなNHKの映像(その後、一部民放テレビの映像も使った)を至急報で流し始めた。映像をそのまま流しながら、通信社から刻々と入電する断片的な記事をキャスターが興奮気味に繰り返し読み続けた。

 ここ10年、東京に特派員を常駐させない米メディアが増えた。中国などに比べて、日本にはニュースがないという判断からだ。東日本大震災の発生は、そんな米メディアの寝込みを襲った感じだった。それだけに彼らの初動は鈍かった。

 米有力シンクタンク、ランド研究所のレイチェル・スワンガー研究員はこう振り返る。「米メディアは、英語を話す米国人に取材するばかり。日本にいる記者は日本語ができないのだろうか? 見ていて歯がゆかった。その点、日本語版ウェブサイトを運営する米ウォールストリート・ジャーナルは、日本人記者を大量に動員して、正確な情報を迅速に報じていた」。同氏は、東京で産経新聞政治部記者として勤務したこともある日本通だ。

米メディアに喝を入れたオバマ大統領の「異例の発言」

 しかし発生後24時間たったころから、米メディアの主力の取材班が続々と日本に到着。本格的な取材・報道が始まった。

 米メディア各社が総力戦に転じるきっかけとなったのは、おそらく、地震発生から8時間ほどでオバマ大統領が行った“異例の発言”だったと思う。

 同大統領は日本国民、特に被災者に対して、「テレビで災害の惨状を見ていて、胸が張り裂ける思いだ。妻と私は心からお見舞いを申し上げる」と述べ、日本との絆を強調した。

 「日本が試練の真っ只中にいる今、我々は日本の友人にありとあらゆる支援の手を差し伸べる用意がある。日米両国民の友情と同盟とは揺るがない」

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「未曾有の大惨事を米メディアはどう報道しているのか?」の著者

高濱 賛

高濱 賛(たかはま・たとう)

在米ジャーナリスト

米政治・経済・社会情勢を日本に発信している。1969年、米カリフォルニア大学卒業、読売新聞社に入社。米特派員、総理官邸・外務省担当キャップ、デスクを経て、調査研究本部主任研究員。98年からUCバークレー校上級研究員。同年から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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