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英語以外の力をフル活用する

自分の強さを再発見しよう~相手への思いやりも強みになる

2011年6月3日(金)

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 生まれてから日本語しか使ったことのないぼくらが英語をうまく話そうとしても、それは簡単ではありません。最善の方法は英語以外の力をフル活用することです。我々は長年生きてきて、良いところをいっぱい持っています。自分の強みで英語の弱さをカバーするのです。

絶体絶命の中で気づいた勝ち抜く方法

 英語嫌いのぼくが、学校開設以来、最優秀の英語の成績を収めたと言っても誰も信じないでしょう。それも、日本の中学や高校でではなく、コロンビア大学の英語学校でです。銅メダルだったぼくにそんなことができたのは「英語以外で勝負をした」からです。

 以前もお話ししましたように、ぼくは学内最低の成績でコロンビア大学ビジネススクールに合格しました。実はこの合格は条件付きでした。あまりに英語の出来が悪いので「当大学の英語学校でレベル10の成績に達した場合にのみ入学を認める」というものでした。

 日本の大学を楽勝で卒業したぼくは気楽に考えていました。「学校は、出席さえしていれば卒業させてくれる所だ」と思っていたのです。「大学院の合格通知を持っているのだから、入学前に3カ月も英語学校に通えば入学を許してもらえるだろう」とタカをくくっていました。

 ところが、組み分けテストで配属となったクラス(レベル7)で学生たちの英語を聞き愕然としました。皆がネイティブの英語に聞こえるほど流暢でした。ぼくは文法の成績が良かったので、本来の実力よりも高く評価されたのでしょう。実際には、自分は明らかにクラス最低でした。

 文法ができなかったある日本人は組分け試験の合計点が振るわず、レベル3に配属されてしまいました。そこではライオンが吠えている絵を見ながら、「Lion」と発音する練習をするのです。いくら何でも子供じゃあるまいし、そんなのは嫌だと思っても、それ以上のクラスでは全く聞き取れないので絵本で勉強を続けるしかない、と苦笑していました。ぼくには笑えませんでした。聞き取りの力はぼくも同じようなものだったのです。

 レベル10に達しなければ、合格は取り消しです。先生のところに相談に行き、事情を話しました。すると、「私はこの学校で教え始めて20年になるが、レベル7だった学生が3カ月でレベル10にまで昇級したケースはない。おそらくこの学校の開設以来皆無だろう。だからといって、君にできないわけではない」と言って、ぼくを励ましたのです。

 先生は最後に「君が歴史を刻むんだ」とおっしゃいました。ぼくは楽観的な方ですが、この先生の言葉を真に受けるほどおめでたくはありません。どん底の気持ちでした。

 ところが、先生の話の中に「もしかしたら、まだチャンスはあるかもしれない」と思える希望の光があることに気づいたのです。

英語学校始まって以来の成績を収めたカラクリ

 それは、レベル8以上の昇級テストは英作文だけ、というものです。「レベル7にもなれば、普通の会話には何ら問題がないので、それ以降は授業でもリスニングやスピーキングの練習は行わず、大学で必要な論文作成能力に重点を置く」とのことでした。

 どんなに優れた英語の先生でも作文を読む時は中身を読んでしまいます。ぼくが奇想天外な楽しいことを書いても、ただ「今日は7時に起きた。8時に会社に行った」とだらだら書き連ねても、書き手であるぼくの語学力は同じなはずです。でも、前者には高い点がつけられるでしょう。面白いことを書けば昇級できるかもしれないとぼくは考えました。

コメント15件コメント/レビュー

連載を毎週楽しみにしていました。今回が最終回ということで、最後は「思いやり」の大切さを書かれていたことが印象的でした。林さんの文章からはいつも人柄の良さ、温かみが伝わってきて、きっと英語でコミュニケーションを上手く取れるのは、言語を超えたレベルで意思疎通ができていたということも大きいのだろうな思っていました。最後のケーキサンプルのエピソードなど、林さんのような人は世界のどこへ行っても人気者でしょうね。著作は金融関係が多いようですが、今回の連載に書かれていたような英語でのコミュニケーションに関する本を出されているのであれば、読んでみたいなと思います。英語を習得する道は長いですが、この連載で教えて頂いたことを活かしつつ、地道に学んでいきたいと思っています。ありがとうございました。(2011/06/03)

「英語は道具:銅メダル英語を目指せ」のバックナンバー

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「英語以外の力をフル活用する」の著者

林 則行

林 則行(はやし・のりゆき)

投資家

投資家。全く英語が話せないのに資産運用のノウハウ修得のため渡米、コロンビア大学MBAにぎりぎり合格。仕事力と日本人の強みを生かすことで、社内最低の英語力ながら海外運用機関で株式運用部長。現在独立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

連載を毎週楽しみにしていました。今回が最終回ということで、最後は「思いやり」の大切さを書かれていたことが印象的でした。林さんの文章からはいつも人柄の良さ、温かみが伝わってきて、きっと英語でコミュニケーションを上手く取れるのは、言語を超えたレベルで意思疎通ができていたということも大きいのだろうな思っていました。最後のケーキサンプルのエピソードなど、林さんのような人は世界のどこへ行っても人気者でしょうね。著作は金融関係が多いようですが、今回の連載に書かれていたような英語でのコミュニケーションに関する本を出されているのであれば、読んでみたいなと思います。英語を習得する道は長いですが、この連載で教えて頂いたことを活かしつつ、地道に学んでいきたいと思っています。ありがとうございました。(2011/06/03)

初めてコメントします.私の英語力は,基本的にはネイティブと意思疎通ができる程度です(たまに早すぎてわからないこともありますが).私の学生のころの英語力は低く,また留学経験などもありません.英単語は覚えてもすぐ忘れるし,正直英語アレルギーでした.そんな私の英語力が伸びたのは,ネイティブの友人ができてからです.英語で会話が成り立つ喜びを知ってからは,英単語も覚えようと意気込まなくても自然に頭に入っていくようになりました.「あっ,通じた.私の英語でも通じるんだと思う体験を早くから持つことです.」には同感です.毎週楽しく拝見させていただき,ありがとうございました.(2011/06/03)

良い記事でした。ある日本人で英語はネイティブ並みなのに全く日本の事を知らずに米国に行き、誰からも相手にされなかったという話を聞いた事があります。如何に英語を上手くしゃべるかではなく、英語を使って何を伝えるかが本質である事を分かりやすく書いて頂き嬉しく思います。日本の歴史や文化の授業時間を減らして英語教育の時間を増やしてるばかげた語学(英語)優先主義が一日も早く替わる事を祈ってます。(2011/06/03)

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