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何がリーダーと現場を生かすのか?

第4回 組織と組織力(その1)~役割分担と統合

2011年6月7日(火)

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知力では、ギリシア人に劣り、
体力では、ケルト(ガリア)やゲルマンの人々に劣り、
経済力では、カルタゴ人に劣るのが、
自分たちローマ人であると、少なくない史料が示すように、ローマ人自らが認めていた。
それなのに、なぜローマ人だけが、あれほどの大を成すことができたのか。一大文明を築き上げ、それを長期にわたって維持することができたのか。
……
それをひとことで言えば、「持てる能力の徹底した活用」である。言い換えれば、1つ1つの能力では同時代の他の民族に比べれば劣っても、すべてを総合し駆使していく力では断じてすぐれていたのだった。

(塩野七生『ローマ人の物語:ローマは一日にして成らず』『日本人へ:リーダー篇』)

 前回、前々回とトップの役割について考えてみました。ただ、トップさえ素晴らしければすべてうまくいくというのは、最後にウルトラマンが出てきてすべて解決してしまうテレビ世代の幻想です。今回から3回にわたって、組織のあり方、特にフォーマルな仕組みについて、トップだけではなく組織の中核となるミドルクラスの役割も視野に入れながら考えていきたいと思います。

 組織とはそもそも個人ではできないことを達成するための仕組みですから、いろいろな議論がありますが、第1回でもふれたように組織論とは突き詰めていけば次の3点に要約されます:

(1)役割分担
(2)役割の調整、統合
(3)ルール

 今回はこのうちの最初の2つ、役割の分担と調整、統合についてです。

役割の分担

 組織の中では、個人の役割が決まっていなくてはなりません。皆が同じことをしていては、組織としての価値はないわけですから、それぞれの個人の能力や経験と組織の目的をかんがみて「分担」が決まります。

 その分担を「統合」する第一段階として、組織構造ができます。いわゆる組織図をイメージしていただければよいでしょう。それぞれの役割を考えて、どのようにまとめたら最も相乗効果があり、組織力が上がるかを考えて、「部門」「課」などができます。組織構造を考える「軸」は数えるほどしかありません。例外はあるかもしれませんが、基本的には次の4つ、またはその組み合わせ(マトリックスなどと呼ばれます)です。

(1)機能別(マーケティング、製造、経理、人事等)
(2)商品あるいは事業別
(3)顧客別(消費者、法人、官公庁等)
(4)地域別(国内では東日本、西日本、海外ではアメリカ、アジア等)

 例えば、機能別組織にするメリットは専門性を高めることですが、一方である商品や事業展開に関して「責任」がはっきりしないことがあります。逆に、商品別あるいは事業別にすれば各商品、事業の業績ははっきりしますが、例えば同じ顧客に複数の事業部から営業マンが訪ねているといった非効率が起こる可能性があります。実際、多くの日本企業だけでなく、例えばIBMやHPなども、顧客別に変えたり、商品別に変えたり、また戻したりということをしています。「どうもうまくいかない、組織を変えてみよう」というのは、ある意味手軽で、組織図も新しくなって達成感がある施策ですが、それでうまくいったという例はほとんどありません。

コメント2件コメント/レビュー

「結局組織力とは「部門間の統合」にカギがある。」の部分がよく分かりませんでした。また、組織と組織力の違いが未だによく分かりません。組織が個人へ働きかける力が組織力なのか、組織の中にいる個人が発揮できる力が組織力なのか、そもそも現場力と組織力って対立概念なのか。用語を説明して頂けると助かります。(2011/06/07)

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「何がリーダーと現場を生かすのか?」の著者

清水 勝彦

清水 勝彦(しみず・かつひこ)

慶應義塾大学大学院教授

東京大学法学部卒業。ダートマス大学エイモス・タックスクール経営学修士(MBA)、テキサスA&M大学経営学博士(Ph.D)。戦略系コンサルティング会社のコーポレィトディレクションを経て研究者に。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

「結局組織力とは「部門間の統合」にカギがある。」の部分がよく分かりませんでした。また、組織と組織力の違いが未だによく分かりません。組織が個人へ働きかける力が組織力なのか、組織の中にいる個人が発揮できる力が組織力なのか、そもそも現場力と組織力って対立概念なのか。用語を説明して頂けると助かります。(2011/06/07)

▼ 世の中では「トップダウン」「根回し」というものが単一的にとらえられているのでは、と私も感じています。実際には複数のニュアンスや長短がありうるにもかかわらず。 ▼ 特に、「トップダウン」=「全ては上が決める」という偏った(誤った)発想が浸透していることが、「現場で判断できない」→「結局、上が動いたり判断する」→「下が育たない」という悪循環や、「経営層が短期的・目に見える結果だけを負う」ことにつながっていると思います。 ▼ 「トップダウン」という言葉の進化(または変化)を促していってもらえることを期待しております。(2011/06/07)

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