お水、お米、ヨーグルト、納豆、乾電池、紙おむつ……。短期間のうちに数え切れないほどの品不足を起こした今回の東日本大震災。被災地の復興への道のりはまだ遠いものの、発生から2カ月が経ち、品不足などの状況はおおよそ平時に戻った。
むしろ今、懸念されているのは消費の冷え込みによる経済成長の鈍化だ。内閣府の月例経済報告では個人消費について、4月は「持ち直しの動きがみられたものの、東日本大震災の影響により、このところ弱い動きもみられる」と記されていた。それが、5月には「東日本大震災の影響により、このところ弱い動きがみられる」と断定的な表現に変わった。
震災による消費マインドの冷え込みは今後も続くのだろうか。
震災がGDP(国内総生産)へどの程度の影響を与えたのか、様々な調査が明らかにしようとしている。日経ビジネス6月6日号でも、ボストン・コンサルティング・グループとの共同調査を通じて消費者の変化を探った。ここではインターネットの世界で、今回の震災がどういう影響を与え、それがどう可視化できたのかを見てみよう。
リーマンショックよりも復活早いクチコミ
まず、ソーシャルメディア分析ツール「クチコミ@係長」を提供するホットリンクによる調査結果から見てほしい。
下のグラフは、2008年1月1日〜2011年5月18日の期間、「購入した」「購入しました」「買った」「買いました」「予約した」「予約しました」といった消費活動を示すキーワードでブログを分析した結果だ。

世界的な金融危機を引き起こした2008年9月のリーマン・ショック後、購買発言を含むブログ記事数は緩やかに下落。1.89%あった購買発言の割合は、2009年4月時点で破綻月の69.31%まで落ち込み、1.31%となった。その後、徐々に回復し、17カ月後の2010年1月にリーマン・ショック発生月まで回復した。
一方で、今回の東日本大震災は発生直後に購買発言の割合は急激に下落。ただし、5月時点(5月1日〜18日までの集計)では2月の水準まで一気に回復している。あくまでもクチコミの分析のため、実際の消費活動を正確に表しているものではない。それでも、リーマン・ショック発生後とは明らかに異なる変化を示しているのが見て取れる。
政府が発表するマクロデータを見る限り、消費マインドは下落しているのは確かだろう。ただ、華美な消費を控える傾向にあっても、逆に防災グッズや非常食など備えのための消費は広がる。当然だが、震災がすべての消費を一律に冷やしているわけではない。




からのご案内




