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逆転する「炉心作業員・被曝限界」と「小学校・安全線量値」

正しく怖がる放射能【8】

2011年6月7日(火)

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 この原稿がアップロードされる6月7日は、東日本大震災と福島第一原発事故が起きてから88日目にあたります。より細かくいうならば、3月15~16日にかけて大量に放射性物質が噴出してから85日程度、3月20日近辺の、事故後関東地方に降った最初の雨から約80日が経つ勘定になります。

 これは何を言っているのか・・・? 当初、取りざたされたヨウ素131の半減期「8日」の約10倍の期間が経っている。広域におよぶ新たな放射性物質の放出がないとすれば、福島原発事故の影響を考える上で、新しい段階に入りつつある、と考えることができると思うので、このような数字を挙げてみました。

半減期と影響の軽減

 このシリーズではやや久しぶりになりますが、少し理科の内容をおさらいしてみましょう。「半減期」という言葉の意味は、その期間を経るうちに、放射性物質の半数が崩壊して娘核(核分裂で生じた2つの核)となる時間を意味します。

 先ほどあげた「ヨウ素131」が仮に「10」あったとすると、8日経過したら半分の「5」がヨウ素131のまま残っていて、残りの「5」はキセノン131という別の原子核(ないしその先の娘核)になってしまって、残っていないことを意味します。この「娘核」が再び放射性物質で人体に有害な影響を及ぼすケースでは困ることになりますが、ヨウ素131の場合は(幸いにして?)崩壊後の娘核は健康に影響のあるようなものではありません。半減期が8日、ということは

8日経つと 1/2
2倍の16日だと 1/4
3倍の24日だと 1/8
4倍の32日だと 1/16
・・・

と減少していって、6月に入る頃には

10倍の80日だと 1/1024
11倍の88日だと 1/2048

とヨウ素131については急激に残量が少なくなっていくわけです。しかし、それなら安心できるか、と問われると、残念ながら「ヨウ素131の残量は減った」としか答えられません。

 もっとはっきり言うなら、同時に噴出されたセシウム134(半減期約2年)やセシウム137(半減期約30年)、あるいはストロンチウム90(半減期約29年)など、より半減期の長い放射性物質はまだ十分に減っていませんし、福島第一原発至近の地域では、事故後に漏出を続けている放射性物質による2次的な汚染や、その影響が強く懸念されるからです。その最たるものは、原発内で事態の収拾に当たっている作業員の人たちでしょう。

週刊ポストの「僕は原発作業員」

 そんな中で先週、衝撃的な報道記事を目にしました。小学館の雑誌「週刊ポスト」に、今後断続的に掲載される、として初回稿が載った「僕は原発作業員」という記事です。書かれたのは鈴木智彦さんというライターです。

 どれくらい多くの「日経ビジネスオンライン」の読者が鈴木智彦さんのお名前をご存知か分かりませんが、私にはなじみのある筆者でした。私より少しお若い鈴木さんは、かつて「実話雑誌」の編集長をしておられたと思います。「実話雑誌」というものも、ご存知ない方には縁が薄いかもしれません。端的に言うと刑務所の中と外をつなぐ役割を持つ雑誌、さらにありていに言えば「ヤクザ雑誌」のことです。

 私も30歳を過ぎるまで「ヤクザ雑誌」を目にすることはありませんでした。初めて手にしたのは大学物理学科時代の同級生、豊田亨君が地下鉄サリン事件の実行犯として逮捕され、弁護士から連絡をもらって(今は取り壊されて残っていない)かつて木造だった小菅の東京拘置所に接見に行った1990年代末の頃でした。

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