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消費「再起動」の処方箋

第3回 消費のニューノーマル

  • 齊藤 直人

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2011年6月9日(木)

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 騒然とした3月から3ヶ月、徐々に普通の時間が流れるようになってきた。5月25日には、4月の白物家電出荷が大幅に増加したというニュースが伝わってきた(全体で前年同月比20%増、エアコンが60%、扇風機は230%増)。時をほぼ同じくして、自動車業界からも、生産正常化を大幅に前倒すとの報である。元気なニュースは消費の心を鼓舞するはずだ。

 必需品を買うとき、心はあまり悪さをしない。スーパーでは、買い物リストに従って、かごの中は淡々と埋まっていく。ところが、嗜好性消費を行うとき、心は暴走したり、妙に縮こまったりする。この制御不能なものが自分の意思だというなら、消費者とは面倒な生き物だと思う。

 週末のアウトレットで、ちょっと気になる1枚のシャツと出会う。「他の店にもっといいのがあるかも」といったん店を出て、あちこち見た上で、再度来店。鏡で合わせてみて「これ、いつ使うんだ?」との思いが浮かび店を後に。時間と共に、再び購買意欲が増してきたが、先ほどの店員に「やっとお決まりですか」とニヤニヤされるのがイヤで、結局買わずに帰ってしまう。

 誰しもが経験していることだろう。

復興需要は日本を元気にはしない

 震災後、旅行や百貨店など、元気のない消費のニュースが続いた。被災地以外でも、全国津々浦々で巣籠りが増えた(表1)。しかし、冒頭に書いたように、空気は変わりつつある。前回までに、震災後、ハレの消費や嗜好性消費は凹んだが、全体で見れば凹みは限定的であること、凹んだ部分も時と共に復元するであろうことをお伝えしてきた。むしろ、目を向けるべきは、量の変化以上に、「消費者のものの見方の変質」という質の変化にある。

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 消費は、今後、時と共に定常状態に戻っていく。質の変化に伴う量の変化を一部含む形で。しかし、ただ戻るだけにはしたくない。復興需要(16-25兆円、内閣府発表)があるから来年は期待できる? 私はこう聞いても元気が出ない。なぜなら、震災前の日本は決して元気が出る国ではなかったからだ。

 震災は痛ましい出来事であった。知り合いでも多くの方が被害に遭われ、話を聞くと本当に胸が痛む。この震災を「行って来い」にしてはならない。復旧ではダメで復興だという議論があるが、いっそ元に戻る感じが強い「復」の字は取ってしまい、「再起動」くらいでどうだろう。かつて英国病と言われたイギリスの一人当りGDPは、2004年には日本を越えた。出生率2.0を目指したフランスは、10年で目標を達成した。1997年にIMFの介入を受け、威信を大いに傷つけられた韓国の目覚しい復活劇は説明を要さない。

 消費はGDPの6割を占める。まさに、経済復活のキラーアイテムである。
 何が変われば消費は戻るのか(表2)。

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 まずは、我が祖国、そして自分自身の将来は大丈夫だと安心できること。個人が、一人称で自らを案じていることがよくわかる。そして、胸を張って、不道徳感なく消費できる気持ちになること。映像を見て痛んだ心は、まだ全快してはいない。個人的には、グラフ左の「マインド収縮」がもっと効いているのではないかと思っていた。しかし、人の心は、現在の自身からいち早く離れ、将来の自分へ、そして見知らぬ他人に向けられている。

コメント3件コメント/レビュー

結局、消費者は日本全体ではそれ程変わっていないというのが、アンケート結果の結論でしょうか?アンケートとは別に、統計数字としてそれ程消費の落込みが金額的インパクトがGDP全体に与える影響は大きくないとのメッセージは貴重だったと思いますが。(2011/06/09)

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

結局、消費者は日本全体ではそれ程変わっていないというのが、アンケート結果の結論でしょうか?アンケートとは別に、統計数字としてそれ程消費の落込みが金額的インパクトがGDP全体に与える影響は大きくないとのメッセージは貴重だったと思いますが。(2011/06/09)

話は理解できるが、私は震災後続けてきた応援消費はもう打ち切った。これからはさらなる緊縮だ。日本は再起動どころか復興、いや復旧もしない。昨日の報道にあった政府の方針より、私はそう結論付けた。ならば、少しずつでも将来のために備えておかねばならない。震災により、これまで不十分だった危機管理の重要性を実感させられた。日本政府という災厄への備えを怠るわけにはいかない。(2011/06/09)

需要が細分化している現代、大量生産を前提とした仕組みは見直すべき状況になっています。「欲しいものを作ってくれない」存在は不要なのです。その淘汰は更に激しくなります。だから「欲しがられるものが作れない」状態にあるなら、それが最大のボトルネックです。要因はいろいろとありますが、社会全体で見るならやっぱり規制が一番邪魔なボトルネックです。企業の側は声を上げるべきですし、マスコミはその声にこそ注目すべきです。■役人・官僚(そして一部業界団体)は自分が社会のボトルネックになっている事を自覚してもらいたいものです。規制・許認可ででコントロールしてるつもりで、実はそれで社会を混乱に陥れている例はあまりにも多いです。若者が無政府主義的な傾向を強めつつあることは明確ですが、原因は若者の側にはありません。(2011/06/09)

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