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新社長がイマイチだったら、前の社長を責めなさい

後任首相候補がはっきりしないというこの国のバクチ

  • 武田 斉紀

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2011年6月20日(月)

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次期首相候補も見えないのに、降ろしちゃって大丈夫?

 経営のバトンをしっかりと渡せる企業だけが生き残れる――民間企業では常識だ。今日はこの話をしたいのだが、その前に気になることがある。この国は現在有事にあるにもかかわらず、後任のメドも立たない中で、トップが引きずり降ろされようとしている。

 ここ最近、自民党の首相2人、民主党の首相1人が、わずか1年以内という短さで、任期半ばにして政権を放り出してしまった。偉そうなことを言ってトップになっておきながら、何たる体たらくと国民は怒り、あきれてしまった。彼らは歴史に残る無責任さで国民を裏切っておきながら、まだ政治家を続けている。それに比べたら、菅直人という首相は逃げなかった。

 彼らの言動を目の前で見ていた者として、同じことだけはしたくなかったのだろう。その責任感は買いたい(というか、国のトップになる人なら、本来そんなことは当たり前であってほしい)。ただ現実は野党・自民党だけでなく、身内の民主党までもが引きずり降ろそうとしている。理由は口をそろえて「対応が遅い。菅さんではこの難局を乗り切れないから」と。

 東日本大震災と東京電力・福島第1原子力発電所の事故発生から早や3カ月が過ぎた。復旧復興、そして事故収束へのスピード感は、阪神・淡路大震災と比べれば遅いのかもしれない。が、ほかの震災と単純に比較できるものだろうかとも思う。阪神・淡路と比べても、被災地域ははるかに広範囲で大規模であり、津波によるヘドロや塩害問題、大量のがれき、原発事故、風評被害までもが多重化している。

 正直、国民からすれば、永田町で何が起こっているのかよく分からない。菅さんが引きずり降ろされなければならない本当の理由は何だろう。

 「A.阪神・淡路大震災と比較して対応が遅い」からか。「B.同震災と規模が違うのは分かったうえで、それでも自民党(あるいは民主党)の○○さんならもっとうまくできる」からか。もしくは、「C.本当は対応の遅さではなく、菅さんは人間的に嫌いだから」降ろされるのか。

 A.だとするなら、もう少し冷静に阪神・淡路大震災との共通点と違いを踏まえて判断してほしい。頑張っているがスピード感が足りないのなら、当時以上に与野党が協力して取り組んでいけばいいだけではないか。国民目線で言えば、政治だけは有事とは思えないバラバラ状態だ。恐らく世界もあきれている。

 いやその前提としてC.の菅さんの人徳問題が横たわっているのであれば、もっと国民に分かりやすく説明してほしい。菅直人という人はあまりにも決断力のない人なのか。方針がブレブレでついていけない人なのか。怒りっぽくて部下のやる気を失わせるだけの人なのか。「菅さんがやるくらいなら、他の人がやった方がよっぽどまし」という話なのか。長年付き合ってきていながら、それらが事実であれば、なぜ民主党の議員たちは菅さんにトップを託したのか。解せないことばかりだ。

 自民が「菅さんが降りるなら協力する」と言っているくらいだから、よほど嫌われているようにも感じるが、国民としては菅さんの人徳のどこにどれくらい問題があるのかを知りたい。一国の首相を引きずり降ろすというのは、異常事態だ。それでもリーダーとして決定的な問題があるなら、「個人攻撃になるから」などと気を遣わずに教えてほしい。これはこの国の今日と明日、そして未来が懸かった重大な問題なのだから。

 さて実はA.やC.の問題が解決したとしても、B.の「菅さんよりも実行力のある○○さんの存在」に確信を持てない限り、国民としては何ら安心できない。逆にB.さえ証明されれば、A.やC.の問題は触れる必要がなくなるかも知れない。もっと実行力のある○○さんがいるなら、スムーズな引き継ぎが可能な範囲で「交代時期は早い方がいい」という結論になる。

 果たして○○さんはっきりしているのだろうか。○○さんは菅さんと比べて、国民が納得できる形で明らかに期待できると言えるのか。「男気があるから」とか、「子分の面倒見がいいから」といった永田町の抽象論など聞きたくない。具体的に菅さんよりも上回っている点を教えてほしい。

 「菅さんから代わってみたけど、○○さんはイマひとつだったね。じゃあまた代えようか」というのだけは“マジ勘弁”だ。1億3000万人の国民はそんなバクチには付き合っていられない。命と生活が懸かっているのだから。

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