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【最終回】不毛な怒りの静め方

「つい、してしまう」の火付け役は当人に他ならない

  • 鈴木義幸

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2011年6月22日(水)

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 以前、ある企業から「うちの役員にコーチとしてついてほしい」という依頼をいただきました。

 その役員は、とても仕事ができる人で、2年間で大きな組織変革を成し遂げた。社長も彼の能力を買っている。次期の社長候補でもある。

 しかし、唯一の問題は、突然部下を怒鳴り散らしてしまうことである。ほとんどの部下は彼の言動に戦々恐々としており、彼に怒られたせいで、体調を壊す部下が何人も出ている。このままでは組織全体にも悪影響を与えかねない。なんとかならないものだろうか。そんな依頼でした。

外では柔軟、内では…

 仕事の腕がたち、誰もが認める稼ぎ頭。集中力があり、機転が効く頭脳派だが、求められればドブ板営業のような役割もいとわない根性だって兼ね備えている。外部のお客さんからの受けは大変よい。

 ところが、組織の内部では、ちょっとした部下の書類ミスにもいらだち、時に声を荒げて怒鳴り散らしてしまう…。

 そのような人物がいる職場は少なくないと思います。そして、その職場で働く人々は、みんなその人物の顔色を見て仕事をしている。人物の指示によりすべてが動くため、部下は創造性と自発性を失っている。いわゆるメンタルヘルス系の不調を訴え、働けなくなる人も出てくる。

 “外では柔軟、内では直情”タイプとでもいえばいいのでしょうか。その人物が、なぜそうした振る舞いをしてしまうのかといえば、自分が優秀であるが故に、そうでないと思える部下が許せないのです。あるいは、仕事に対する思いが強い故に、自分ほどの情熱を感じられない部下が許せない。

 私は社長業だけでなく、現場の仕事も続けています。こうした問題を抱えている方には、「エモーショナルマネジメント」をテーマとしたコーチングを行ないます。日本語に直訳すれば「感情の管理」です。感情をコントロールためのスキルを付けていただくわけです。

 そこで今回は、どのように感情の管理をしていただくか、その方法を紹介したいと思います。

外側から自分を見る目を養う

 エモーショナルマネジメントのコーチングをしてほしいという依頼に対して、私どものエグゼグティブコーチのスタッフは、「問いの力」をもって立ち向かいます。問いを戦略的に駆使して、そのエグゼグティブが感情を自分自身でコントロールする力を身につけていただくようにしていきます。

 エモーショナルマネジメントをコーチングする上で、私の基礎となっているのは、米国テネシー州で過ごした大学院時代の経験です。1997年に私どもの会社の現会長の伊藤守とコーチ・トゥエンティワンを設立する前年まで、私は当地の大学院で臨床心理学を学んでいました。フィールドワークとして行ったのが、州立の女子刑務所で女囚さんを対象としたワークショップです。

 ワークショップのテーマは「アンガーコントロール」。つまり、怒りを制御するということです。怒るという感情が他人に危害を加える引き金となることは多々あります。その感情が込み上げてきた時に抑えられるかどうかは、囚人が社会復帰を果たすための大事な要素の1つとなります。

 実際の作業では、呼吸の仕方、体の緊張の解き方など、様々な方法を使えるようになるようトレーニングしていきます。その中でも一番大事なのは、「自分がどのようにして“キレてしまう”のか、その“キレかた”を知ることです。

 自分がどういうふうにキレてしまうのか。それが分かれば「自分で自分に介入する」ことができるようになります。自分で自分に介入するということは、自分の中で何が起こりつつあるかを察知し、それを瞬間的に止まって客観視し、最適な反応のしかたに修正することを意味します。

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