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菅首相の“ドン引き発言”で考えるリーダーの品格

その条件を見事に体現したある企業の上司

2011年6月23日(木)

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 「オレの顔を見たくない? 本当に見たくないか? だったら法案を通せ」と笑うに笑えないジョークを飛ばした菅直人首相(ジョークであると信じたい……)。

 リーダーの責任って、いったい何なのだろうか?

 「現在進行形」で東日本大震災の被災地の復旧・復興と、東京電力・福島第1原子力発電所の事故処理とに同時に取り組まなくてはいけない今。遂行責任こそが、この国のリーダーである首相に問われる責任であるようにも思う。

 「一定のメドがつくまで責任を果たす」
 「法案の成立まで責任を果たす」
 「再生可能エネルギーの道筋をつけるまで責任を果たす」

 こう豪語するなら、是非ともその責任を果たすべく、さっさと誠心誠意やってほしい。そう心から願ってはいる。

 だが、あの強気の笑顔だけは、どうにもいただけなかった。「下品」とまで言うと口が過ぎるかもしれないけれど、何とも残念な気持ちになってしまった。

菅直人首相の笑顔を見て去来した思い

 何しろ、それまでの菅首相といえば、責任を追及されると、知らぬ存ぜぬを決め込んでいたのだから。

 「海水注水が中断していたという報告は聞いていない」
 「福島第1原発1号機がメルトダウン(炉心溶融)していたことは、(震災発生から)2カ月後に知った」
 「(原子炉格納容器の圧力を下げるために放射性物質を含む蒸気を排出する)ベントが遅れたのは自分のせいではない」
 などという具合に。

 もちろん、とにかく辞めればいいわけじゃない。それが結果責任を果たすやり方とは到底思えないし、それこそ被災地の復旧・復興や原発事故の収束が「現在進行形」である状況で、結果責任を追及すること自体が、時期尚早なんじゃないか、という気がしなくもない。

 それでもやっぱりもうちょっと、いや、せめて、一国のリーダーらしい責任のあり方を示してほしいし、もう少しばかりかっこいいリーダーでいてほしい。 そんなちっとも論理的でも何でもない気持ちになってしまうほど、あの笑顔は受け入れることのできないものだったのである。

世の中には意外と多い“品のない”リーダー

 もし、ああいうタイプが自分の上司だったら──。

 嫌いになるだろうね、きっと。うん、確かに嫌いになる。気持ちがどうしたってついていかなくなる。「いなくなればいいのに」なんてことも、思うようになるかもしれない。

 でも、世の中には意外といるのだ。部下のやる気をなえさせる、「嫌い」などという、どうにもならない感情をわき立たせる、品のないリーダーが。

 「で、責任は誰が取るんだ?」が口癖で、「結果責任はキミ。僕には関係ないからね。そこんとこヨロシク」とばかりに、責任を放棄するリーダー。社員たちに最も人気のない、嫌われるリーダーの典型である。

 もちろん政治の世界と、会社という組織では、リーダーの責任を全く同列に扱えるものではない。

 だが、少なくとも、いかなるリーダーにも「決断を下す」という権限が与えられている。ならば、リーダーのあるべき姿とは自らが下した決断をとことん信じて実行し、その結果に責任を持つことは当たり前のはずだ。ところが、その当たり前ができないリーダーが世の中には多い。

 部下への責任の持たせ方、リーダー自身の責任の持ち方。リーダーがいかなる『責任哲学』を持つかで、フォロワーたちの心の有様は大きく変わる。無責任なリーダーを持った部下はやる気を失うし、ストレスだってたまっていく。

 そこで、今回は、「リーダーの責任」について、考えてみようと思う。

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「菅首相の“ドン引き発言”で考えるリーダーの品格」の著者

河合 薫

河合 薫(かわい・かおる)

健康社会学者(Ph.D.)

東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。産業ストレスやポジティブ心理学など、健康生成論の視点から調査研究を進めている。働く人々のインタビューをフィールドワークとし、その数は600人に迫る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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手嶋 龍一 作家・ジャーナリスト