「使える英語はこう学ぶ」

韓国の英語力が日本より高い理由

「英語ができないと生き残れない」は日本の未来か

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2011年6月24日(金)

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 ユニクロや楽天の「英語公用語化」宣言もあり、日本企業の英語に対する意識が高まっている。どうすれば、ビジネスシーンで使える英語を身に付けられるのだろうか。そのヒントを探るため、記者は韓国に飛んだ。

 韓国は1990年前後から、国を挙げて英語力強化に取り組んでいる。特に、1997年の通貨危機を境に国民に広がった危機感もあって、英語教育に対する熱気が急速に高まってきた。

 15年ほど前までは、日本と並んで「英語が苦手」とされた韓国。だが、今やTOEICテスト受講者の平均スコアは日本人受講者よりも40点ほど高い。

 英語力を急速に伸ばせた理由はどこにあるのか。韓国最大の教育関連企業「YBM Sisa.com」のD.H. Lee(リー)代表理事に聞いた。

 YBM Sisa.comは2000年6月に設立した、教育関連企業。英語教育コンテンツを基盤に、オンライン教育事業などを扱う総合教育機関だ。語学・電子図書コンテンツやソリューションを日本にも輸出している。


英語ができないと生き残れない

 「今、韓国は国内総生産の80%以上を海外貿易に頼っている状況です。国家の競争力を高めることが必然という環境では、英語ができないと生き残れない。韓国にとって英語は『生き残る術』なのです。

 韓国でグローバル化という言葉が聞かれるようになったのは、1988年のオリンピック以降です。90年代に入ってからは、サムスン電子やLG電子、現代(ヒュンダイ)がグローバル化の流れの中で生き残る企業体になるために模索を続ける中で、英語がブームになりました」

 具体的に、韓国企業は国民全体の英語力向上にどう関わっているのだろうか。

 「グローバル企業として成長するためには、英語力が必要。そう考えた企業は、採用段階で英語力を必須条件としました。英語力の判定基準として用いたのがTOEICスコアです。

 採用段階だけではありません。多くの企業が海外に派遣する人材や昇進させる人材に、一定以上のTOEICスコアを求めています」

 なぜ、TOEICなのだろうか。

 「グローバル市場で競合する企業の英語力と、韓国企業の英語力を比較することで、自分たちの能力を客観視できるからです。

 日本には、英語力を測るテストとして(英検など)様々なものがありますよね。でもこれらのテストは日本国内向けのもので、海外の人材と英語力を比較したり、国際基準の中で比較することは容易ではありません。

 一方、韓国では、『競争相手は韓国国民ではなく、ドイツや日本など海外勢』との意識が強い。例えばサムスンの場合、競争相手はLG電子ではなく、ドイツのシーメンスや日本の日立製作所、ソニーといった企業となります。そのため、国際的な英語力の指標となるTOEICのニーズが急速に高まっていったのです。

 競争力の指標は英語力だけではないにせよ、グローバル市場で戦うには英語は必要不可欠です。そこで、各企業の英語力がどのレベルに到達しているのか、現段階でどの程度の努力が必要なのかといった基準が分かるので、TOEICを使う企業が多いのです」

 話を聞いていると、「英語力の高さは韓国企業のステータス」といった印象を受ける。産業界ではトップ企業と認識されているが、英語力はあまり高くない。そんな企業はないのだろうか。

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著者プロフィール

瀬戸 久美子(せと・くみこ)

日経ビジネス記者。日経ホーム出版社に入社後、『日経TRENDY』(家電の実験に追われる)、『日経WOMAN』(働く女子のホンネを聞き続ける)を経て、日経BP社との合併を機に『日経ビジネス』へ。特技は女子の内なる悩みや不安を聞き、共感できる誌面に仕上げること(経済誌にどう生かせばいいのか未だ模索中)、裁縫。趣味は読書、歌うこと、ラグビー&箱根駅伝観戦



このコラムについて

使える英語はこう学ぶ

 「なぜ、日本人は英語が苦手なのか」
 長年にわたって英語を学んでいるはずが、なぜか実務で使えない。
 今度こそ、使える英語力を身に付ける――。高まる英語熱と、広がる英語教育市場に迫る。急速に英語力を伸ばす韓国の取材も含め、英語教育の実態と、「真のグローバル企業」に近づくための秘訣を探る。

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