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「社長、なんでそんな冒険をするんですか!」

震災に負けない人々(8)大西雅之・鶴雅グループ社長

2011年6月28日(火)

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 全国の旅館は東日本大地震で大きな影響を受けた。被災地の中は、施設の損壊などの直接的被害もあるが、被災地の外は消費の自粛による予約のキャンセルが大きく影響した。地域によっては、町から観光客が消え、多くの旅館が休業や廃業に追い込まれた。

 この大変に厳しい旅館業において、予約のキャンセルに見舞われながら、素早く対策を打ち、その影響を最小限に食い止めたのが北海道で7つの旅館を展開する鶴雅グループである。予約のキャンセルが多かった旅館を休業して、以前から予定していた工事を、この機に実施した。また、地震前の1月に立ち上げてあったネット事業本部が、顧客にインターネットで直接アプローチし、地震後も集客し続けた。

 今回はこの鶴雅グループの大西雅之社長に、地震後の対応や、これからの旅館業が向かう方向について聞いた。

内藤 震災後、どのように対応しましたか?

客が少なくなったので、改修工事を進めました

大西 3月11日、支笏湖にある私どものグループ旅館の「水の謌」にいました。地震が発生した時、ちょうど取材を受けていました。

 あまりの揺れに、大変なことになったと感じました。

 私ども鶴雅グループの本社がある阿寒は、地震が多いところです。これまでも釧路沖地震や十勝沖地震があって、経験的に震度5までは施設に大きな被害が出ないことが分かっていました。それでも、やはり気が気ではありませんでした。

 携帯電話で地震情報を見ながら、そして現場の支配人からもいろいろ情報をもらいました。そして、震源が東北沖だったとの連絡が来ました。東北は地震が続き過ぎる、と思いましたね。

 そこからすぐに、他と同じように私どもの旅館も予約のキャンセルが始まりました。3月11日は、阿寒の旅館には行政や漁業関係者のグループも宿泊していました。しかし、そのようなお客様はすぐにお帰りになりました。その日に宿泊する予定で、来られなくなったお客様も多くいました。地震発生から1週間で約4000人のキャンセルがありました。

 本当に恐ろしいと思っていたのは、こうしたキャンセルではなく、旅行に行こうと思っているお客様の予約が入らないことです。おそらくキャンセルよりも、そうした隠れた数字のほうが圧倒的に大きいと感じています。入っている予約が消えるのは目に見えますが、予約が入らないのは目で見ることができませんので。しかし、結果は4月に系列旅館の阿寒の「花ゆう香」とサロマ湖の「鶴雅リゾート」の2軒を休業したにもかかわらず、昨年10月に札幌市定山渓の「森の謌」がグランドオープンしたこともあって、グループ全体で昨年対比でほぼ同水準の業績となっています。

 実は業績に大きく貢献してくれたのは、森の謌だけでなく、一昨年の5月にオープンした支笏湖の「水の謌」もあります。もしこの森の謌と水の謌の両旅館がなければ、3月が80%台、そして4月は90%強の数字だったと思います。この2旅館には、人口190万の札幌を中心に、苫小牧、恵庭、北広島といった地域のお客様が震災後もいらしてくれました。

 地震後の比較的早い段階で、花ゆう香とサロマ湖リゾートの2旅館を休業する話が出ました。地震の1週間後に、4月の閉館を決めました。なぜかと言えば、この2つの施設はもともと改修工事を計画していたからです。花ゆう香はメーンレストランの改修工事を地震の前から準備していました。サロマ湖リゾートはエステの工事が予定されていました。

 「じゃあ、閉めて2週間の工事予定をきちんと済ませてしまおう」

 4000人の予約のキャンセルがグループ全体でありましたので、休業した2旅館に予約していたお客様に事情を話して、花ゆう香のお客様は同じ阿寒地区の「鶴雅」へ、そしてサロマ湖は網走湖にある「鶴雅リゾート」に移ってもらいました。

内藤 客が減った状況で、どのような対応をされたのですか?

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「「社長、なんでそんな冒険をするんですか!」」の著者

内藤 耕

内藤 耕(ないとう・こう)

サービス産業革新推進機構代表理事

世界銀行グループ、独立行政法人産業技術総合研究所サービス工学研究センターを経て現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官