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第36話 「これでIFRSは立ち消えになるんですか?」

2011年6月29日(水)

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前回までのあらすじ

 リンダはタイにあるソムチャイにUEPCの技術責任者のアンディーと、研究部門の責任者の三沢を紹介し、4人はバンコクのレストランで食事をしていた。

 その席で、リンダは、団達也の会社が作っている「K01」は、金子が三沢の発明を勝手に流用したものだと言った。それに対してアンディーは、K01は自分が発明したと明かし、MTCラボの特許にはならないと言った。

 一方、三沢はK01、そしてK01を生産する専用ロボットの動きを制御するコンピューター・プログラムは、すべて金子が発明したものだとリンダに語った。アンディーはその言葉を聞いて、K01はあくまで自分が発明したものだと言い張った。

 その理由は、アンディーは達也の会社が特許を出願する前に、技術雑誌にこの発明を投稿したからだと言った。

 三沢は、アンディーのこの行為によって金子の発明であるK01は「公知」となり、特許にはならないと語った。

バンコク

 「K01の市場を握ることがなぜ私とUEPCのためなの」

 リンダは不愉快でたまらなかった。

 「ダンはきみを警戒して、K01の生産ロボットを貸し出していない。それがどんなに不満かは、オレにはよく分かる。オレも別の意味で不満だよ」

 「なにが不満なの。聞いてみたいわ」

 「当たり前じゃないか。K01の特許は、日本では申請されているけどまだ特許になっていないんだよ。アメリカでは申請すらなされていない。きみらはそんなものに振り回されているんだ」

 アンディーはニヤリと笑ってリンダを見て、話を続けた。

 「それに何度も言うけど、あれはオレが考えた発明だ。しかもオレの投稿で、アメリカでは公知になっている。つまり、K01の特許申請はできても、特許とはならない代物なんだ。オレとミサワの頭脳、UEPCの資金力、きみの販売力があれば、中国市場はもちろん、世界だって制覇できる。あと半年もすれば、K01が特許にならないことがはっきりする。それまで待つことはない。電気自動車が主流になるのは目に見えているんだ。仕掛けないのは愚か者の選択じゃないのかね」

 するとリンダが吐き捨てるように言った。

 「私は知的財産については素人だけど、特許がどんなものくらいかは知ってるわ」

 「それはおもしろい。聞かせてもらおうじゃないか」

 アンディーはムキになって言い返した。

 「さっきから、あなたはK01はオレの発明だって繰り返しているけど、それって、K01そのもののことを言ってるの?」

 「当たり前じゃないか。K01という『物』を、このオレの頭で考え出したんだ。カネコでもないし、ここにいるミサワでもない」

 アンディーは誇らしげに胸を張った。だが、それが虚栄であることをリンダは見抜いていた。

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「第36話 「これでIFRSは立ち消えになるんですか?」」の著者

林 總

林 總(はやし・あつむ)

公認会計士

外資系会計事務所、監査法人勤務を経て開業。国内外でビジネスコンサル、管理会計システム導入コンサルのほか、大学で実践管理会計の講義を行っている。また管理会計の草の根活動として、団達也会を主宰。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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