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「長距離マラソンは経営と同じ」

第1回:【パリ】エッフェル塔下から始まった1万5000キロ走

  • 大角 理佳

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2011年7月1日(金)

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 パリから上海、そして東京へ。ユーラシア大陸1万5000キロメートル(km)を自分の足で走破しようと、スタートラインを越えた事業家がいる。中古車買い取り大手、ガリバーインターナショナルの会長・羽鳥兼市氏、70歳だ。

 羽鳥氏は社長だった2005年に北米大陸横断マラソンを成し遂げている。アスリートのように、きちんと健康管理をしながら走り込んでいたわけではない。それどころか、毎日、夜中過ぎまで仕事をする、多忙な経営者のうちの1人であった。

 そんな彼の突然の挑戦に対し、周囲は当初「途中で挫折して帰ってくるだろう」程度に構えていたらしい。年齢も年齢な上に糖尿病と高血圧などの持病もあり、医者からは自殺行為だとも言われていた。しかし羽鳥氏は4カ月かけてきっちりと走り切り、元気な姿で戻ってきた。

 今回のチャレンジにあたっては、食事や体調、現地でのコーディネートなどを担当する4~5名のサポートメンバーを帯同しながら、羽鳥氏を含む3人のランナーでゴールをめざす。ともに走るのは、創業時からガリバーに加わり、今は執行役員の須釜武伸氏と、会長の三男である彰人氏。須釜氏は北米も羽鳥氏と走破している、頼りになるベテランランナーだ。

 しかし、羽鳥氏は「助さん格さんを引き連れて走るというわけではないです」ときっぱり。70代、50代、20代の3人それぞれが、自分自身に挑戦する、という姿勢にこだわっている。仮に誰か1人が体調不良でその日のノルマをこなせなかった場合には、翌日以降に他の人が食事などをしている間にも走って距離を稼ぐ、といった具合に歩を進め、誰一人として距離が足りないまま旅を終えることのないようにするそうだ。

 しかもサポートする社員の交通費は自腹。さらに、このマラソンに参加している間は減給になるという。「普通の給料を払ったのでは、日本で本業を支えてくれている社員に申し訳ない」と羽鳥氏は厳しい姿勢を見せる。

「一度休むと走れない」から、走り続ける

 なぜ走るのか、という問いに対して、羽鳥会長はこう答える。

 「超長距離のマラソンは、実は経営と同じなんですよ。ずっと先の目標を定めておくものの、そればかりを見ていると1日ずつの進捗はわずかしかなくて気が滅入ってしまうもの。だから、1日の目標をきっちりと達成して満足感をえる。しかし、ずっと遠くの目標からは目を離さない。超長期の目標を遠くに見つつ、まず毎日の目標をきちんと達成していくことの重要性が分かってくる」

パリを出発しフランスを走る羽鳥兼市氏
一緒に1万5000キロを走るガリバーインターナショナル執行役員の須釜 武伸氏

 しかし、1日平均50km、暑い日も寒い日もある。雨の中、延々と続く坂道を走る日だってあるだろう。休みはというと、月に最大2日程度しか設定していない。ものすごくカラダに悪そうだ。「でもね、途中で休んだりすると、かえって次走る時に弱っちゃうんですよね」。北米横断当時を振り返って須釜氏はそう言う。

 「一度休むと、走れなくなる」――。経験のない人は不思議に思うかもしれないが、フルマラソンやウルトラマラソンを走ったことのある人なら心当たりがあるだろう。あまりのキツさに耐えかねて「ちょっとだけ」と立ち止まったが最後、それまで考えないようにしていた疲労感が一気に襲ってきて、次の一歩が非常に重く辛いものに感じられてしまう。4カ月間の北米大陸横断の時も1日平均50kmを走り続けた。序盤戦では羽鳥氏に身体が震えるほどの強い脱水症状が起こるなど、緊迫したアクシデントもあったが、距離を重ねていくうちに、身体が慣れていったという。

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