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「オレって何者?」 “3・11”で自分を見失った40代の焦燥

「負け犬」から「4時から父さん」になると変わる景色

2011年6月30日(木)

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 東日本大震災が起きた「3・11」を境に、いろいろなものが確実に変わり始めている。とりわけ電力不足という緊急事態は、家庭生活にも、働き方にも、大きく影響を及ぼしている。

 私自身、埼玉県熊谷市で驚異的な最高気温が出た日、「この一押しで停電が起きたら」と思うと、冷房を入れる勇気が持てず(これを勇気と言うかどうかは別として)、近所のカフェにパソコン片手に避難した。原稿に集中する時は、本と資料に囲まれた狭い仕事部屋にこもるのが日常だったのに、熱さに耐えきれずにカフェに“出勤”したのだ。

 労務行政研究所によれば、節電対策のため「所定外労働の削減」を行っている企業は66%、「サマータイム(始業・終業時間の繰り上げ)の実施」は52%で、5割以上の企業が、自宅勤務や休日の増加といった「働かせ方」の見直しも行っているという(東京電力、東北電力管内の195社を対象に2011年4月に実施)。

 あれだけ「エコだ! 温暖化防止だ!」と言われても節電できなかった人たちが節電に精を出し、あれだけ「残業をなくせ!」と指導されても残業をなくせなかった企業が就業時間を削減し、夕方、近所を歩くとサマータイム勤務のお父さんたちが子供と公園で遊び、エンドレスに続いていた会議が就業時間内に終わるようになり……。

 働かせ方が変われば、働き方も変わる。早く帰宅できることで、育児や家事に参加できるようになったり、自己啓発の時間を持てるようになったりと、満足感を得た人もいることだろう。

 だが、その一方で、変わる働き方に戸惑っている人も少なくない。

昔の働き方に郷愁を引きずる40代

 「自分がここまで会社に依存していたとは、正直驚いた。仕事と家庭を割り切れる若い世代がうらやましい」

 先日、40代の人たちとの意見交換会で、こういった意見が相次いだ。

 バブル崩壊以降、仕事への意識は明らかに変わってきた。というか、仕事に対する新しい価値観を持っている世代が育ってきたと言った方が正確かもしれない。

 「会社人間」と呼ばれた昭和真っ盛り世代。仕事に自己実現を求めたバブル世代。そして、仕事は生活のための手段と割り切る20代たち。

 働き方は、個人の資質以上に、社会状況や社会環境によるところが大きい。特に10代後半から20代の時の「世の中」は、職業観の形成に強い影響力を持つ。

 そんな中、これまで無意識に「右肩上がりの働き方」へのノスタルジーを引きずっていた40代は、電力不足がきっかけとなり、これまで意識しないでいた自分の“問題”がさらけ出されて戸惑っている。

 そこで、今回は、「職業観」について考えてみようと思う。

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「「オレって何者?」 “3・11”で自分を見失った40代の焦燥」の著者

河合 薫

河合 薫(かわい・かおる)

健康社会学者(Ph.D.)

東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。産業ストレスやポジティブ心理学など、健康生成論の視点から調査研究を進めている。働く人々のインタビューをフィールドワークとし、その数は600人に迫る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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