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「ネイティブ講師はいらない」

韓国から上陸した「子供が自習する英語教室」

2011年6月30日(木)

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 連載初回ならびに第2回では、韓国の英語教育事情について触れた。

 第3回目となる今日は、韓国で人気を博している英語教育法を取り入れつつ、日本流にアレンジを加えて展開している、一風変わった小学生向けの英語教室にスポットを当てる。

 キーワードは「ネイティブ不要」と「自立学習」だ。

CDとテキストで子供が自習する

 午後4時。小学生向け英語教室「Lepton(レプトン)」には、ランドセルを背負った子供たちが集まってくる。生徒を待ち構えるのはネイティブ講師…と思いきや、仕切りで区切られた教室にあるのは英語のCDとテキスト。子供たちは各々、好きな席に座って耳にヘッドフォンを付け、黙々とテキストに向かっている。

 生徒たちの様子を見守るのは若い日本人の女性。時折、子供たちの学習内容の確認や質問にマンツーマンで答えている。

 子供向けの英語教室といえば、生徒が声を揃えて単語を発音したり、英語の定型文を読んだり、ネイティブの講師と会話するといったイメージが強い。だが、レプトンは「英語の基礎力を身に付けるには、ネイティブ講師は必要ない」と断言している。

 代わりに、独自に開発した英語のCDとテキストを用いて、「自習」形式でアルファベットから発音、語彙、語法、基礎文法などの知識を習得していく。読み書きにも力を入れることで、英語の基礎力を着実に高めていくと同時に、「小学生でも、TOEICテストのハイスコアを目指せる」(レプトンを運営するEVAN)のが売りだ。

 学習時間は、1回当たり約1時間。10分から15分おきに、チューターと呼ばれる専門講師が、各児童の理解度を確認する。こうすることで、子供の集中力が持続しやすくなるという。

 この仕組み、実は韓国で一定の評価を得ている「engloo」という英語教室の手法がベースになっている。なぜ、こうした仕組みの英語教室を日本で展開しようと思ったのか。運営会社であるEVANの北田秀司社長と梶浦隆章副社長に話を聞いた。

ネイティブ講師信仰の盲点

 北田社長は10数年にわたって、仕事上で韓国企業との付き合いがあった。そして、ある「危機感」を抱いたという。

 「韓国人の英語力があまりにも急速に進歩していて、『これはまずいな』と強く思いました。10年後、今の子供たちが大人になった時に、日本経済は完全に(韓国に)負けるなあ、と。韓国は国を挙げて教育に力を入れている。子供たちは英語教室に毎日1時間、週5回通っている。

 危機感を抱いていた時に、ちょうど韓国側から『engloo』という英語教室を日本でやりませんかという話が来たんです。で、実際に教室を見せてもらって、これは取り入れないといけない、と思いました」

 具体的に、どんな点に魅力を感じたのだろうか。

 「システム的には、ネイティブ講師が要らないことですよね。

 今の英語教育は、圧倒的にネイティブ講師の数が足りない。学校教育でもそうじゃないですか。でも、ネイティブなしでもここまでできるのか、と。パッケージを見に行って、これはいけると思ったんです」

 確かに、今年4月から始まった小学校の英語教育でも、ネイティブ講師の人材確保に苦労したという話はよく耳にする。そして、もし確保できても、教え方の違いなどで問題が起きることもある。間接雇用という形でネイティブを確保する学校が少なくないが、その場合、学校側が講師に直接指導することは難しい。質の高いネイティブ講師を確保するのが難しい状況は、韓国も日本も同じだろう。

 「子供に英語を教えるのがネイティブ講師である必要はあるのだろうかと思ったんです。ネイティブが必要なタイミングや時期はあるにせよ、子供なら1カ月に1回、ネイティブの外国人を呼んでイベントでもすればいい。それよりも、基礎力をしっかり身に付けるほうが大事。毎回、『ハロー、ハロー』と繰り返し話しても仕方がないというのが、我々の考え方です。

 運営上、すごく楽な点も魅力でした。塾の空きスペースなどで十分にできるし、チューターは大学生のアルバイトでも対応可能なので、人材確保の面でも負担が少ない。教材も、レベルや注力したい内容に応じて全部で81冊用意されています」

 学習内容の面において、日本の英語教室と異なる特長はあるのだろうか。

 「日本の英語教育の大半は、『これができないと次の段階に進めません』というシステムなんです。一定の単元を終えて、テストをして、完全にクリアしたらようやく次に進める。でも、テストが終わったら、すぐに忘れてしまう。

 一方、レプトンはそこそこ理解していれば次に進めるシステムになっています。何度も同じような内容が出てくるので、また出てくるからいいよね、と。繰り返しているうちに、何となく覚えられる。韓国の英語教育はそのあたりが結構アバウトです。そこが特徴ですね」

 とはいえ、韓国流の仕組みをそのまま取り入れたのでは、日本の父母に広く受け入れられるのは難しいようにも思える。日本で展開するに当たり、工夫を施したのだろう。

 「教材は日本人に合うような内容に変えました。例えば、韓国と日本では一般的に食べる野菜が違ったり、遊び方が違ったりする。それらを直して準備が整うまでに2年近くかかりました。

 ですが、それ以上に心配したのは、日本人は子供がひとりで15分間も集中して勉強できるだろうか、という点でした。韓国人はモチベーションが高いので、集中力が持続する子が多い。でも、果たして日本の子供たちはどうなんだろうと」

 確かに、我が身を振り返ってみても、小学生の頃にじっと机に向かうのは苦痛だった記憶がある。「動物やキャラクターを多用し、勉強というより遊び感覚で取り組めるテキストにしている」(EVAN)というが、子供の性格によって向き不向きはあるだろう。

 現在、レプトンは全国に約200教室ある。韓国側との契約は、「生徒の数と使用する教材の数に応じて一定のロイヤリティーを支払う形態。日本側でかなり改編しているが、韓国側も潤う仕組みになっている」(北田社長)という。

 ちなみに、日本の生徒には富裕層の子供が多いというが、韓国で一定評価を得ている英語教育法という点について、保護者はどう評価しているのだろうか。

 「私たちは当初、あまり韓国ということを表に出すつもりはなかったんです。でも、子供たちのお母様たちの中では逆に、『韓国で評価を得ている』という話が広まって、ブランド価値が高まりつつあるように感じます。

 今はサムスン電子やLG電子などの製品に触れることも増えています。昔は『韓国製より日本製』とのイメージがあったかと思いますが、今はそういうことは全くないようです」

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「「ネイティブ講師はいらない」」の著者

瀬戸 久美子

瀬戸 久美子(せと・くみこ)

日経WOMAN編集部

旧・日経ホーム出版社(現日経BP社)に入社後、日経WOMAN、日経TRENDY、日経ビジネス編集を経て2013年4月より現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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