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「宿泊キャンセルはゼロ」、奇跡のホテルに聞く極意

震災に負けない人々(9)武内眞司・ホテル風早社長

2011年7月5日(火)

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 今回紹介するのは大分県日田市にあるホテル風早。

 九州にあるから、東日本大地震の影響は直接受けなかった。しかし、多くの旅館と決定的に違うのは、全国至る所の旅館が予約のキャンセルに苦しむ中、ホテル風早は売り上げを伸ばし続けていることだ。キャンセルはパーティー1件だけ。驚異の数字である。

 既にこのコラムでは、ホテル風早の仕組みを紹介した。今回は社長の武内眞司氏に、地震の時に何を考え、これから何をやろうとしているのか聞いた。

 すると、この驚異の数字が、偶然の産物ではなく、想定された結果であったことが分かった。試行錯誤、リピーター、素、ミルフィーユ、域内消費…。武内が何気なく口にするこれらのキーワードがこの数字を作ったのだ。そして、このキーワードからは、創業してまだ20年しか過ぎていないホテル風早が、安易に流行を追わず「100年企業」を目指す強い意思を持っていることが分かる。

内藤 地震のとき、最初に何を考えましたか?

商いのことは考えませんでした

武内 3月11日、東日本大地震が発生した時、私は持病の定期検診のため、地元の病院にいました。

 「大きい地震があったらしいよ」

 そう医者から言われて知りました。ただ地震の揺れは、この九州で感じることはありませんでした。そして、自分の反応はただ「へー、大変だな」という程度。大津波のことは全く思いもつきませんでした。その時は、それだけでした。

 今回のような大きな災害に遭いますと、人はまず情緒的になります。自分もそうでした。商いのことは、不思議と頭に浮かびませんでした。業界がどうなるかも考えませんでした。実は、「商いがどうなるだろうか」なんて今も考えていません。これまで通り、普段通りに商売を続けているだけです。

 地震の影響について、地元の会議で議論となりました。3月末のことです。ホテル風早では、パーティーのキャンセルが1件だけありました。それ以外は、今のところ何も影響はありません。周辺の旅館はキャンセルがあったようです。関東や東北の温泉地のように、休業しているところはありませんが、やはり大変厳しいようです。

 実を言いますと、福島、宮城、岩手の位置関係が、今回の地震でやっと分かりました。九州から見ると、東北とはそんなものです。ただ、日本の産業を支えている地域で、地震の後から九州の工場に様々な影響が出てきました。九州と東北はつながっています。このことにはじめて気づきました。

 だから、地震の後はずっと足元を見つめています。被災地のために自分がやれることを何でもやろうと考えています。ボランティアも大事です。お金を送ることも重要です。ただ、もう1つ大事なことがあります。それは現地に行くことです。

 東北の同業者はきっと心細いに違いありません。同業者を応援するために、現地に行って、お互いに握手できたらいいと思っています。一体感を持つために、そして商売のことを考えないで、落ち着いたら、みんなで東北旅行に出かけようと周辺の人々に声をかけています。

 サービス業で働く人たちは、お客様に来てもらうことが一番うれしい。現地の人たちはきっと喜んでくれると思います。

 このようにして、10年以上は東北を応援していこうと思っています。

内藤 どのようなホテルを目指していますか?

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「「宿泊キャンセルはゼロ」、奇跡のホテルに聞く極意」の著者

内藤 耕

内藤 耕(ないとう・こう)

サービス産業革新推進機構代表理事

世界銀行グループ、独立行政法人産業技術総合研究所サービス工学研究センターを経て現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官